
折々のチェスのレシピ(513)少しだけ高度な知識をあなたに
まったく駒の損得なく終盤戦に入った局面です。

見てすぐにわかるように、ポーンに関して言えば(というよりそれが今回のテーマなのですが)、白は序中盤で動かしていないものしか残っていません(センターポーンを空にしただけです)。終盤を迎えた時にこの局面(駒組み)は白にとってかなり致命的です。
白は終盤をまったく考慮せずに指していたことになります。黒の各駒はほぼすべて有機的に(つまり紐づいた形で)構成されており、白がこれを崩すのはすでにかなり困難です。
勝利の権利を残して終盤を迎えるには、序中盤でそれなりの駒組みをしないといけないことがよく見て取れるかと思います。
また、黒はキャスリングをしていませんが、駒組みをきちんとすればこうしてキャスリングをしなくとも有利な陣形を構築することが可能です。