チェスのレシピ(22) チェスでまずスコア1000点超えを目指す人のために
チェスにおいて攻めも受けもどちらも重要なことは言うまでもありませんが、どちらか一方に極端に傾いた指し方は思わぬ落とし穴にはまる可能性があります。
ここまで黒が圧倒的な優勢を築いています。勝勢と言ってもいいぐらいです。
ところが白が逆転を狙って次の手を放ってきました。
f6にナイトがいるので次の一手でメイトされることはありません。従って黒は攻めの手を継続しても大丈夫そうです。
いや、次の白の手を見落としていました。
f6のナイトでg4のナイトを取りにいけば詰んでしまうので取れません。黒はクイーンを捨てる形で詰み(メイト)を避けるしかなくなっています。具体的にはQh4としてクイーンを取らせてルークを盤上から消すか(もしくはhファイルからルークをどかすか)、それともQxd2として一手稼いでいる間にNd7としてf6の地点を強化するかぐらいしかないようです。
いずれにしても逆転を許してしまっています(大逆転)。
ここでの黒の問題は直近的には白のNg4を見過ごしてしまったことにありますが、盤面全体を見ればわかるように、黒がクイーンだけで攻めている点にも問題があります。クイーンだけで詰ますことができない局面なのは明らかなのに、他の攻め駒が前に出ていません。
一方の白は大幅な駒損ではあるものの、駒が躍動しつつ、各駒が悪くないところに効いています。
今回の例も攻め急ぎの一例と言えるかもしれません。