折々のチェスのレシピ(326)キャスリング考
下の局面における黒の選択肢はいくつかあります。
白がビショップを使って黒のナイトをピンしてきたところです。まず、
白がbファイルにビショップを並べてしまった点に目をつけて、早々にb5ビショップを消してしまおうという手です。
また、
ここは白に一手あげても怖い手が飛んでくることがない局面ですのでキャスリングをするという選択もあります。黒はセンターポーンがしっかりしており、キャスリングによって守りが相当堅くなり、以後積極的な攻めを繰り出すことができるようになります。
キャスリングをするかしないか、するのであればどのタイミングでするのかについては、まずもってキャスリングをするということは相手に手を渡すことだと認識しておいてください。したがって、相手に手を渡してはいけない局面でキャスリングすると死活問題に直結しかねません。
どのくらい死活問題かというと、今度は白の視点から見てみます。
先ほどの局面か数手進むと上になりますが、ここで、
焦ってキャスリングをしてしまったりすると、
bファイルを抑えられてしまい、白に勝ち目はなくなります。以下の進行例としては、
こんな局面が考えられます。白はどんどん自陣に迫られているのに、相手陣に迫る手段がほぼ皆無です。投了レベルの局面です。