チェスのレシピ(45) チェスでまずスコア1000点超えを目指す人のために
クイーンズ・ギャンビットを指向した白に対して、黒が受けてこない展開で、でもクイーンズ・ギャンビットの定跡にほぼ合流する局面について以前簡単にご紹介しました。
今回もそれと似た局面になりました(下図)。
白の手番です。次の一手をどう指しますか?
すでに白の駒は黒と比べて早い展開になっています。それを加速したい局面です。
第一感や経験からの直感としてすぐに下のふたつの手が思い浮かぶかと思います。
どちらを選びますか?
e3の手ではf1のビショップの動きが広がりました。ただし、c1のビショップの動ける範囲を制限してしまっています。
e4の手ではf1のビショップとc1のビショップの両方の可動域を広げています。加えて、e4の手では黒の中央付近のポーンが2マス上げずらくなっています。そこで黒は中央付近のポーンを1マスしか上げられなくなります。例えば下図のように。
ここまでの局面で白と黒のどちらが優勢かすぐにわかると思います。
「チェスのレシピ」を読んでくださっている方から、黒で勝ち越せるようになったという嬉しい報告をいただきました。
60ゲーム近くを指して黒番で勝率が6割弱というのは単に運がよかったとか相手のミスが重なったとかでは出ない数値です。ご本人の努力と研究の賜物だと思います。もし「チェスのレシピ」が少しでも役に立っているなら嬉しい限りです。