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折々のチェスのレシピ(369)少しだけ高度な知識をあなたに
前回からの続きになります。ということで、白は前回の展開に持ち込まれたくはありません。
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ここでd4とすると前回の展開に持ち込まれてしまいます。よって他の手を指したいところです。
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あれっ、ビショップをこんなに早く使うのは無理筋だったのでは?と疑問に思った人はこの「折々のチェスのレシピ」を読んでくださっている人です。たしかに、しばらく前にビショップを早く繰り出した時に不利になる手筋をご紹介しました。
確かめるために、手を進めてみます。
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これが黒としては最善の応手です。ここで白には、
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c3という一見すると意図が分かりにくい好手があります。
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もしa6とビショップ取りにポーンを当ててきたら、ビショップをナイトと交換してしまいます。黒はナイトで取り返すのが最善ですが、キングサイドにキャスリングした際に守りの役割も担うナイトが遠くに行ってしまうというデメリットもあります。逆に白はそれを狙っているわけです。
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ここで白からはd4という手があり、先ほどc3とポーンを突いておいた効果が現れます。黒がd4のポーンを取るにしても取らないにしても、白がセンターを先に制圧することができます。ここから黒はセンターポーンを捌き合う以外には形勢を損ねてしまいます。
ビショップを早繰りする時には、ビショップを捨てる(駒交換する)ことが自分にとって有利な場合に限って可能であるということもあわせて理解できる例でした。
さて、棋力の高い相手は当然ポーンを捌いてきます。すると、以下の局面になります。
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形勢はほぼ互角です。スコアが高くなってくると、ここまでは当たり前のように進行するでしょう。ということは、実際はこの局面からが本当の勝負になります。次に白からは、Bg5、Re1、Nc3、Bf4などの候補手があり、どれも一長一短です。どの可能性も事前に研究しておきたいところです。
Bg5とするとややトリッキーな手筋が存在するなど、ここから先は研究のしがいがあります。チェスの醍醐味が本格的に味わえる、そしてチェスが本当の意味で面白くなってくる岐路だと思います。