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折々のチェスのレシピ(175)受けの極意#15
黒が猛攻している局面です。
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黒が勝勢であることには間違いないですが、白をメイトするには駒が足りず、だからといってナイトやビショップの援軍を待つには時間が掛かりすぎます。d2のナイトとa1のルークを取る筋はあります。それによって相手の戦力を大幅にダウンさせることができるものの、まだ詰み筋はありません。
次に白はNf6という手を見せているので黒としてもそれほど安心して指せないようにさせられています。
この対局は黒の攻撃をしのぎ、一瞬のチャンスをものにした白が勝っています。初手からご覧ください。
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白が絶対にメイトさせないという粘り腰でピンチを凌いだのに対して、黒は逆境に陥った時に最悪に近い手筋で受けてしまっています。たしかにクイーンを取られてしまってからはほぼ勝ち目はありません。しかし、白のような粘りを発揮すれば、もしかしたら相手がミスをするかもしれません。
白は厳しい局面でも、第1図のように、守り一辺倒ではなく攻撃の手を繰り出して相手に考えさせています。実際に黒はそこで攻撃の手を休めており、白は一手もらうことができました。
この対局、白は明らかに序盤で間違っています。こういう不利な局面しないのが最善ですが、ちょっとした見落としやらなんやらで不利な局面に陥ってしまうことはあります。しかし、序盤の強引気味な攻め(今回は黒)は凌ぐことが可能な場合も多いです。なぜなら、駒が足りていないからです。ということは、相手の攻めを受け止めてしまえば、チャンスが巡ってくるかもしれないということです。