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折々のチェスのレシピ(171)受けの極意#11
黒があからさまにメイトを狙いにきました。白にとっては一見するとちょっと怖い形です。
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詰めろが掛かっている白は、一手一手で黒をメイトできればそうしますが、残念ながらそういう筋はありません。そのため、ここでメイトを回避する手を指さないといけません。もちろん、
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g3とするしかありませんが、そうするとルークを取られてしまうではないかと思われるかもしれません。
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しかし、取ってくれたほうが白にとっては好都合です。どうぞ取ってくださいと言いたいぐらいです。
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白はチェックが掛かっているわけではないのでここで一手もらいました。相手にチェックを掛けます。
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黒はb8以外に逃げると詰んでしまいます。ここで、
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先ほどの黒のビショップを捌いてしまえばいいことになります。この後、白は手が回ってきた時にBa6とすれば勝ちです。
では、ルークを取ってこなかった時にはどうなるでしょうか。
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d5のナイトを取ってくるぐらいしか白には手がありません。
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しかし、これが黒にとってかなり痛い一手です。
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当然黒のキングは逃げますが、
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今度はこっちで両取りを掛けます。黒がルークを取ってこなかった時と比較してまだ黒が指せる形にはなっていますが、白は相手の駒をどんどん取ることができるので戦力差が歴然とします。
第1図の局面は受け間違うと負けてしまうのですが、きっちり読みを入れればメイトされることはなく、むしろ優勢だということがわかります。第1図のQg5が無理攻めだと読み切ってしまえば白が勝てる一局です。