折々のチェスのレシピ(557)少しだけ高度な知識をあなたに
自陣に接近させると厄介な駒がナイトであるということについては、実戦でも痛い思いを味わったことが誰にでもあるはずです。
白からするとc6にいる黒のナイトはまだまだ自陣(および自分のキング)から遠くにいて脅威にはならないように見えるかもしれません。ただ、e5の地点がそのナイトの跳び先としてあり、そうなるとc4のビショップに当たることになります。そうなると取られないように受けなくてはならず、相手にまた手が渡ってしまいます。
ということで、
ここは先回りしてきっちりとナイトを牽制しておきたいところです。こうしておくことで、しばらく局面が進んでも、
例のナイトは動きが取れないままになっています。
黒はビショップを前線に繰り出してきていますが、今すぐにメイトされてしまうような筋もなく、チェックが掛かる心配もないことから、白は緊張感を持ちつつもやや攻め手に集中できる駒組みになっています。
とても微妙な手に思えるかもしれませんが、こうしたちょっとした先を読んだ手を指せるかどうかで棋力(スコア)が上下したりします。