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折々のチェスのレシピ(401)少しだけ高度な知識をあなたに

どっちがどっちと言うことのできない局面です。

AIやソフトの解析を待つまでもなく、両者が間違いなく指せばドローになる可能性が高い局面になっています。

一見すると白が攻めているようでもありしかし黒は守りがちゃんと効いており、逆に黒が攻めているように見えてもまだ白には逃げ道があったりします。要は両者ともに手詰まりなのですが、h6のビショップが質駒になっている白のほうが若干ですが、指しにくいかもしれません。

先手の白としてはドローでは面白くないので勝ちを拾いにいきたいところですが、この局面までくると相手がよほどのミスをしない限り難しいでしょう。

その要因のひとつとして、白はナイトを二つとも手放してしまったことが挙げられると思います。ナイトが盤上に残っていないと、接近戦がしずらくなります。ビショップは遠くから効く有能な駒ではあるものの、接近戦にはあまり向いてはいません。

これはとても一般論になってしまいますが、ビショップを二枚残すのとナイトとビショップをそれぞれ一枚ずつ残すのでは、あくまでも相対的な比較ですが、後者のほうが指しやすく負けにくい形にできる可能性が高いというのは昔から言われており、おおむね実際にそうだと感じることが多いです。

ということを頭に入れておくと、序中盤でどの駒を切って、どの駒を残すのかというひとつの指針にはなるはずです。


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