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折々のチェスのレシピ(461)少しだけ高度な知識をあなたに

クローズドな展開が苦手という声はよく聞きます。それには大まかに2種類があって、白だけど相手がクローズドな展開に持ち込んできて対処できないというものと、白の急戦を回避しながらクローズドな展開に持ち込みたいけどうまくいかないという黒の悩みです。

今回は黒目線で解説してみます。

第1図

一応狙い筋はあったもののそれを白に潰されてしまった場合、黒はクローズドかつ低い陣形で序盤はやり過ごすのが基本的な考え方としてあります。上の局面がそうです。

黒から見て左辺に白がポーンの壁(前線)を構築しています。こういう時には黒は逆に右辺を厚くするのが基本です。逆に白が右辺から崩しにきたら黒は左辺を厚くします(その時は局面次第ですがクイーンサイドへキャスリングする含みがあります)。

というふうに、先後非対称な駒組みをしていくことによって、どちらにも形勢が傾かない駒組みがチェスでは可能です。そんなことをしていたら有利にならないじゃないかと言われるかもしれませんが、互角の駒組みをして初めて「そこから勝負」ができるわけなので、特に相手が強い場合には常に互角の形勢を保ちつつ仕掛けを先送りする(黒であればドローまで考える)という流れ(対局感)になるでしょう。

ちなみに、第1図はほんの少しではありますが、黒がいい形をしています。理由を見つけてみてください。と言いつつ、すぐに答えを言いますが、白がaファイルのポーンを無駄に突き出しているからです。


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