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折々のチェスのレシピ(105)

相手のクイーンを端付近で釘付けにしておき、その間に手を作っていく構想については何度かご紹介してきました。

今回は、もっと引きつけて相手のクイーンを使えなくしてしまう例です。

自陣に相手のクイーンを侵入させているので怖い形ではありますが、実際のところは五月蝿いだけで差し迫った脅威はありません。そこで、

第2図

こうして黒のクイーンの出口を塞いでしまい、どこにも行けないようにしてしまえば、その間に白は手を作っていくことができます。ただし、どんどん攻めていけばいいというわけでもなく、受けの手を指す必要も出てきます。

第2図で黒のクイーンに逃げ場所はひとつしかありません。

第3図

この次の白の指し手によって、強い人とそうでもない人が分かれます。どんな手を思いつくでしょうか? ヒントは、a2の地点です。

第3図のままだと、a2の地点に黒の駒が2枚効いています。白はその筋にクイーンがいれば問題ないのですが、それではクイーンが使いにくくなります。そこで、ポーンを上げておきます。そうすれば白はクイーンをどこに動かしてもaファイルを受けていることになります。受けの極意みたいな手です。

この手を指せるようになれば、達人とまではいかないかもしれませんが、相当に棋力が向上したことは間違いありません。


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