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折々のチェスのレシピ(216)

黒が猛攻を仕掛けている局面です。

第1図

これでも黒が大優勢であることには違いありませんが、いかにも寄せにくい形ではあります。加えて、黒は守りにやや不安を抱えているので、ここで寄せ切らないといけないというプレッシャーにもさらされるかもしれません。ということで、黒の次の一手が難しくないでしょうか?

やや無理な攻めを重ねてきたせいで黒はクイーンを展開しにくい形をしています。おそらくこの局面のもっと前に、さらにいい形にする機会があったのではないかと思われます。そこで局面を戻してみます。

どうやらここがポイントになりそうな局面です。ここでNfxe4としておけば、かなり楽な展開になっていたと思います。

e4のナイトがいなくなると、白はキングとクイーンが直線上に並んでしまい、かなりまずい形になりますので、なんらかの対応が必要です。また、f6にいたナイトを移動させたことで黒はクイーンがf6に出ていく筋ができました。クイーンがf6に移動すると白はルーク取りに当たるので、白はこれにも近く対応する必要が出てきます。よって、黒は相手のポーンを取っただけでなく、実質的に2手もらったことにもなります。この手がかなり黒にとって有利であることが、明らかです。

駒を動かしたり、取ったりする際に、駒組みの優劣や駒の損得だけでなく、手得かどうかという視点も考慮に入れることができるようになると、選択する手が最善のものに近づく可能性が高まります。


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