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折々のチェスのレシピ(271)
下の局面は黒が白に対応を迫っています。
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もちろん、このままでは次に黒からNe2というチェック&クイーン取りが掛かるからです。この手を受けること自体は難しいことではありません。
それよりも着目していただきたいのは、白のaファイルのポーンがなぜa6にいるのか?ということです。ポーンがa6に到達するには最低でも3手が必要です。その間にこのポーンはなにか成果を上げているでしょうか? 答えは否です。
その3手の間に黒に手を作られてしまったがゆえに、白はいま苦しい局面を迎えています。ここから先、白が相手を脅かすような手を作るのはかなり困難です。それもこれも序盤に無駄な3手を使ってしまったからです。手数(手損)というのが駒損に匹敵するような影響を持ちうることが今回の例からよく理解できるかと思います。