藤井聡太二冠に学ぶ次の一手(10) マリアの一手
前回の続き。
第3図 63手目 ▲8一飛成まで
ほとんどこれが決定打となって先手の勝ちに。
と書いたのだが、ここからすんなり詰むわけではない。
お互いの持ち駒は、先手が角1銀1桂1香1歩1、後手が金1銀1。
以下、69手目から連続してご覧ください。
第4図 69手目 ▲2四桂打まで
第5図 70手目 △2同歩まで
第6図 71手目 ▲同歩まで
この後、▲2三香打とされたら後手は金で取れないため玉を逃すがどちらに逃げても助かる術がない。
69手目のような桂のタダ捨てが神の一手と呼ばれることは少ないみたいだが、こういう慈愛に満ちた手(将棋への愛を感じる手)を私は個人的に「マリアの一手」と呼んでいる。
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