折々のチェスのレシピ(537)少しだけ高度な知識をあなたに
相手が早まってクイーンを繰り出してきた時、相手がキャスリングに備えた時、そんな時にこちらにチャンスが巡ってくることがしばしばある、ということは何度も書いてきました。
それが同時に来た局面です。
黒は駒の展開が遅れたと判断してクイーンを繰り出すと同時にクイーンサイドにキャスリングをすることにしたようです。そうであれば、
とするか、あるいは、
として、黒がクイーンサイドにキャスリングをすることを牽制することができます。
ちなみに、第1図で黒のクイーンを咎める手もあり得そうな局面です。
ただしこれは、
黒のクイーンにもいい逃げ場所があり、かえって白のc4のポーンを咎められることになり、いい手筋だとは言えないと思います。ここで白にはNd5という手が見えるかもしれませんが、Qxc4、Nxc7では白はビショップとナイトの二枚を失って黒のルークを取るという流れとなり、黒のキャスリングを不可能にしたとはいえ、攻め駒が不足することになりそうです。
早繰りしてきてクイーンを咎める手はこの局面(第1図)以降何回か出てくるでしょうから焦らずに。