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折々のチェスのレシピ(164)受けの極意#4
今回はクイーンの価値についてです。
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白のクイーンは次、黒のルークによって退路を塞がれると(Rf6)逃げ場がなくなり取り切られてしまいます。よって、
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逃げておくのが唯一の正しい受けのように見えますが、本当でしょうか?
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しばらく局面が進むと、今度は取られはしないものの、窮屈な位置に追いやられてしまいます。こうなると、おそらくゲームの最後まで出番がなくなります。キングを守るには役立つかもしれませんが、攻撃のためには存在しないも同然です。つまり、この時点で白の勝ちはまずありません。
となると、第1図でクイーンを逃した手は悪手ということになります。ではどんな手が良かったかというと、
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クイーンは放置してビショップ取りを掛けます。ちなみに、黒はこのポーンをポーンで取れそうですが、c3の地点で駒を清算しあうと、Rc3とされて黒にとって厳しい形になります。よって、黒はクイーンを取りにくるはずです。
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白は黒のルークを道連れにして死ぬ選択をします。その代わり、
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黒のビショップを取ります。上の局面を第3図と比較してみてください。上のほうがまだ戦えるだけの駒と駒組みが残っています。最強の駒であるクイーンはできるだけ取られたくないというのはその通りですが、今回のように二枚替えが可能な時などはあえて捨ててしまったほうが相対的に得となる場合もあります。