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現役棋士と郵便将棋
「将棋世界」昭和34年10月号の読者ルームコーナーに、郵便将棋を誌上に掲載し、秀局を専門家に解説してほしいという声が寄せられている。
郵便将棋を知らない人向けに一応説明しておくと、封筒かハガキに次の一手を記して対戦相手に送り、その相手もまた次の一手を記して送り返すという手続きとしてはいたってシンプルなものだが、すぐに想像できるように終局まで数ヶ月かかることもザラである。
むしろその長い時間を楽しんだものだったのかもしれない。当方は郵便将棋の存在自体は知ってはいたものの実際に指したことがないが、次の一手をポストに投函した後、その一手が悪手だったと気づいても後の祭り、次の一手が送り返されるまでずっと気分がすぐれないといったことも起こりそうである。
ネット将棋が盛んな現今こそのんびりとやってみたい気もするが、郵便料金だけでもバカにならない額になりそう。
いや待てよ、現役棋士と郵便将棋ができる企画を将棋連盟はやってくれないかな。一局終わるまでに数ヶ月かかるだろうからその過程を「将棋世界」で連載して。