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折々のチェスのレシピ(395)少しだけ高度な知識をあなたに

難しいフィアンケット。フィアンケットを武器にするプレイヤーは沢山います。ただ、フィアンケットを機能させない手筋もすでにいくつも知られており、無傷というか理想的な展開に持っていくのは相手のミスがない限りかなり難しいです。

例えば、

第1図

白がフィアンケットを初手から目指す展開を考えてみます(なぜならそれが最短ルートでフィアンケットを組めるはずだからです)。白は初手Nf3とし、お互いにdファイルのポーンを突いて黒からのBf5です。ここからゴリゴリと白はフィアンケットを目指してみます。

あくまでもフィアンケットを目指すので、

白はキャスリングもしてしまいます。そして上の局面です。形勢は互角の範囲でしょうが、ここまで指してこの先の進行に自信が持てないこの形は避けたいところです。なぜ自信が持てないかというと、この先しばらく進んでも白にとっていい手がないからです(ぜひご自分で調べてみてください)。

ということは、第1図の時点で一直線にフィアンケットを目指すのではなく、別の手が必要だということになります。

これがよく知られた手筋ですが、そんなことは黒はとうの昔にご存じで、

きっちり受けてくるはずです。この先の進行もよく知られており、しばらく進むと、

この局面かこれに近い局面になっているはずです。白にとって悪いとは言えませんが、黒にとっても悪いわけではありません。

ここで冒頭に戻ります。フィアンケットを目指していたはずなのですが、不利にならないように指していくと、いつまでも白はフィアンケットを組むことができません。さまざまな手順があるのでこれが結論だということはできませんが、相手がフィアンケットを阻止しようと思えば(その手筋を知っていれば)、そうすることは可能です。よって、無理にフィアンケットを組むことはリスクを孕んでいると覚えておいて損はないです。


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