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折々のチェスのレシピ(595)少しだけ高度な知識をあなたに

じゃあ実際にどんな例があるんだと問われるかもしれません(前回からの続きです)。ダニッシュ・ギャンビットについてまとめて書いたこともあるので、先手がダニッシュ・ギャンビットを採用した実戦例からです。

第1図

黒がc6にナイトを繰り出してきました。黒は、早々にビショップを前線に出し、Nc6も攻撃の準備のつもりだと思われます。しかし、この手は白にとって当面なんの脅威にもなっていません。また、f7を狙われているのにもかかわらずそのケアにもなっていません。黒は攻撃の手(のつもり)を続けているものの実際にはそうなってはおらずむしろ自陣に瑕を抱えてしまっています。

よって、白はここで安全にキャスリングができるだけでなく、次に黒がc3のナイトを取ってこなければそのナイトも生かすことが可能になります。

では黒は第1図に代えてどんな手がよかったかといえば、

このように、f7をケアしつつ、白がキングサイドにキャスリングをした際にナイトが戦力になるような位置で働いてもらうことが最善だと思います。

ちなみに、この対局はしばらく進むと次の局面になっていました。

この黒のキャスリングは安全でしょうか?

白はc6の地点でナイトを捌いてしまいます。それを上図のようにポーンで取り返してしまうと、

必至&ビショップ取りが掛かってしまいます。いかに第1図が黒にとってまずい駒組みかがわかるかと思います。

ダニッシュ・ギャンビットはすべての人におすすめします!という序盤戦術ではないですが、こうした手筋が埋蔵されているので興味にある方は下記のまとめをお読みください。


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