折々のチェスのレシピ(431)少しだけ高度な知識をあなたに
序盤におけるポーンの使い方を誤ってしまったが故に陥った惨劇が以下です。
特に序中盤においてポーンはポーンで捌いていくのが一応の基本ではありますが、
これが相当の悪手であることはすでにお伝えしています。さらに時を戻すと、
黒の一手目がこれでした。黒の初手c6は絶対にあり得ない手ではないものの、その後の指し回しがかなり難しいです。まずなにより、次に白はNc3、d4、c3、Nf3などなど、今後の展開を見据えてやりたい放題です。
初手c6としたからには黒は白のそれらの次の手のすべてに対応を練っておく必要がありますが、ちょっと考えてもかなりハードルが高いと思います。なんでそんなに無理をしてまで初手c6とするのかという疑問が湧かないでしょうか?
仮に白の序盤を撹乱する目的があったとしても、その目的を達する可能性はかなり低いです。
黒が初手c6の時、
この形になることがよく知られています。次にdxe5としないと白が形勢を損ねます。黒はその可能性(白が間違う可能性)に賭けているのかもしれませんが、ここまでちゃんと形を作れる白がここで間違う可能性はかなり低いです。