チェスのレシピ(42) チェスでまずスコア1000点超えを目指す人のために
第31回でクイーンズ・ギャンビットに対する変則的な黒の応手について書きました。
下の図も同じようにやや変則的な黒の対応です。
しかし数手進むと、
クイーンズ・ギャンビットのよくある定跡に合流することも多いです。
白が2手目でやってはいけないのが、Nc3です。
次に黒は当然d5とくるでしょう。こうされると白は窮屈な駒組みを強いられます。また、c3の地点を自分のナイトで埋めてしまったら、もはやクイーンズ・ギャンビットになりません。一般的に、1.d4 d5 2.c4の出だしをクイーンズ・ギャンビットと呼びますが、先ほどの例のように数手進んで定跡に合流する場合もあります。
ドラマ『クイーンズ・ギャンビット』を観たり、原作(邦訳)を読んだりして、クイーンズ・ギャンビットを自身でも指してみたいという人も少なからずいるかもしれません。クイーンズ・ギャンビットはその好奇心に応えてくれる定跡のひとつだと思います。黒側の対応もさまざまに研究されていて簡単には勝たせてくれませんが、黒が簡単に良くなる手筋もなく、棋力が同じぐらいの相手であれば終盤まで均衡したゲームが続くことが多いです。とはいえ、序盤のミスによって、あっという間に決着がつくこともあったりします。