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折々のチェスのレシピ(354)中盤戦
それなりに読みの精度と大局観が試される局面です。
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この手に対して黒は手抜こうと思えば手抜くこともできそうです。しかし、自陣にナイトが接近してきたリスクは残ってしまいます。では、ここでナイトを交換したらどんな局面になるか、それをきちんと読まないといけません。
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ビショップで取ってくるのが白の自然な応手です。
ここで黒からは、
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f6という手がありますが、
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白も目障りなナイトを取りにくるでしょう。ここが重大な岐路になります。ここでビショップを取ると、相手もナイトを取ってきます。すると、
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この局面になります。この局面が黒にとっていいのか悪いのかは俄には判断が難しいですが、微妙によくないです。なぜかというと、次にこれといった手がないからです。exd4という手がありますが、同クイーンとされて、また受けないといけません。そうであれば、
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交換するのであればこちらでというようにナイトを引いて相手に考えさせるほうがよさそうです。もしナイトを取ってきたら、クイーンで取り返した時の形のほうが黒にとってはややいい形になっています。
どちらであっても形勢には微妙な差しかありませんが、こうした微差が最後には勝敗につながりますので、中盤の微妙な局面ではちょっとずつポイントを稼いでいくという観点から先の手を検討してみてください。