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折々のチェスのレシピ(188)
黒が早々と定跡を外した駒組みをしてきました。
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白としては、Bf4とするのがおそらく最善の手でしょう。しかし、黒の駒組みをよく見ると(よく見なくても)、できるだけ早くキングサイドにキャスリングしようという意識が感じられます。
そうであれば、それを牽制する手もあります。
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もしキングサイドにキャスリングをしたら、どんどん右辺から攻めるよという白の手です。黒は予定を変更してクイーンサイドにキャスリングするにしても、まだかなりの手数が必要です。おそらく黒はここで悩むことになるはずです。
こういった相手の意図を逆用するような手も選択肢に加えておきたいところです。ただ、白もキングサイドにキャスリングすると守りと攻撃力が弱まる可能性がある手です。白は黒に比べて手が進んでいるので、h4という手もできますが、手が遅れている時は避けたほうがいいです。
白はあと2手でクイーンサイドにキャスリングする準備が整いますので、キャスリングするしないはその時の展開次第ではあるものの、少なくとも黒よりは早く守りの態勢を備えることができます。
こうした諸々の事情を検討していくと、意外な手が相手にとって嫌な手になり、相手の手を萎縮させることができたりします。