折々のチェスのレシピ(100)
ある程度、お互いに駒組みが終わったら、その後はセンターを制した方がその一局を制する可能性が高くなります。
下はよくある局面だと思います。
黒としては白がキャスリングをする前にセンター付近の駒を捌きたいところです。それでは、ということで、崩しにいってみます。
同ポーンと取ってくれればいいのですが、
aファイルのポーンをクイーン取りに当てられると、黒はやや嫌な形になってしまいます。
ということで、第1図の局面でセンターを崩しにいくのは無理筋だということがわかります。ではどんな手がよかったでしょうか。
g4という手があることを覚えておいても損はないです。
かなり先の展開を念頭に入れた手なので、どういう効果があるのかちょっとわからないかもしれませんが、白のビショップがf4に居座っていると、下は進行例ですが、
この形にされる可能性があります。すぐにどうこうという局面ではないものの、できれば避けたい形です。これをあらかじめ不可能にしているのが、先ほどのg4です。
急いでセンターを崩しにいくよりも、ずっと効果の高い手筋ですので、覚えておくといつか使えると思います。この手を指せるようになると、将棋で言えばアマチュア五段ぐらいはあると思います。