折々のチェスのレシピ(318)序盤で指してはいけない手100選
序盤ではどうしても弱い地点がお互いにあります。
これが大悪手であることはもう説明は不要だと思います。
黒は先にビショップを捨ててきます。
同キングとすると、白はキャスリングの可能性がなくなるだけでなく、
チェック&ルーク取りが掛かってしまいます。ほぼゲームオーバーです。
数十回にわたって続けてきた、この「序盤で指してはいけない手100選」ですが、ここで一旦終えることにします。すべての序盤の戦型やあらゆる駒組みを例にできませんでしたが、どの戦型であっても応用が可能なポイントはほぼ押さえてあります。よって、ここまで読んで下さった人は、少なくとも序盤で形勢を損ねることはなくなっているはずです。
しかしながら、序盤においては難所といえるテクニックが実はまだ残っています。それがキャスリングです。「えっ、手が空いた時にキャスリングをすればいいんじゃないの?」と思われるかもしれませんが、キャスリングをしたばっかりにそれが敗着になることもあり、敗着とまではいえないまでも形勢を大きく損ねてしまうことは多々あります。
次回からは少しまとめてキャスリングについて考えていきたいと思います。なぜなら、キャスリングを実行するにしてもしないにしても、序盤でその意思決定をある程度しておかないといけないからです。
チェスの初心者向けの解説書では、なるべく早くキャスリングをしてキングを安全にすべしと説明されていることが多いかと思いますが、「キャスリング=キングの安全」神話を信じてきてしまった人にはぜひ読んでいただけたらと思います。
上の本、タイトルを訳すと『勝つためのキャスリング』あたりになると思いますが、キャスリングについてまとめた本が少ない中、なかなかよくまとまっている本です。