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折々のチェスのレシピ(529)少しだけ高度な知識をあなたに
駒の損得はありません。
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白はキングをキャスリングできなかった代償として、黒がキャスリングをした右辺にポーンで攻勢をかけましたが受けられてしまっています。これを崩すことを考えながら白は手を作っていく必要がありますが、どんな手がありうるでしょうか。
かなり難しいです。上の局面が白にとってどれだけ苦しいかと言われると、形勢はまだ互角の範囲ではあります。ただ、この局面から白が黒にプレッシャーを与えるだけの手を作るにはかなりの手数が必要です。
白としては、次にb5とされてしまってはかなり困るため、
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それをあらかじめ防ぐには上の手を指す以外にありませんが、Rd8と簡単に受けられてしまうだけでなく、将来的にdファイルにルークの効きが通ってしまうことになり、やはり苦しいです。
相手陣をポーンだけで攻めていくのは、同じだけの枚数のポーンが相手にも残っていると基本的には今回の例のようにどこかでがっちり受けられてしまいます。そうなるともうポーンだけでは崩すことが困難なため手詰まりになります。つまり、こうなる前にマイナーピースでサクリファイスするなどしないといけませんが、それが効果的かどうかは慎重に見極める必要があります。
何百局あるいは何千局と対局をしてもポーンの使い方をマスターするのはなかなか難しいです。逆に、ポーンをうまく使いこなすことができるようになると、安い駒で大きな成果が得られるため、対局に余裕が生まれます。今回の例(白)は余裕をなくしてしまった実例と言えると思います。