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折々のチェスのレシピ(611)少しだけ高度な知識をあなたに

白のダニッシュ・ギャンビットから始まった一局です。まずはご覧ください。

途中までですが、白の勝勢です。

序盤の下の局面、

第1図

ここで白が指した手を不思議に感じた人も多いのではないでしょうか。

この手にどんな意味や含みがあるのだろうか? 疑問に感じるのも当然で、あまり意味がありません。ではなぜ、意味のない手を指しているのか? これは一言でいえば、手待ちでしかありません。手待ちなどせずどんどん指せばいいのにと思うのも最もです。

しかし、第1図において基本的に白がなにを指したとしてもすでに黒には形勢をひっくり返すほどの手が残されていません。そういう時には手を渡してさらに形勢を損ねる手を指させるという、かなり高度な(ある意味意地の悪い)手です。こういう一見意味のないように見える手も指せるようになるとだいぶ高段者の域に入ってきます。

ちなみに、第1図で、

こう指しても別に悪くはありません。おそらく教科書的にはこちらが正解なのでしょうが、案外と粘られてしまう形になりやすいです。


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