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折々のチェスのレシピ(504)少しだけ高度な知識をあなたに
さて、序盤のポーンの攻防で優位に立ち、マイナーピースも活用できる形にするとどんなことが起こるでしょうか?
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これがひとつの好例です(黒)。ここで黒は安全にキャスリングを行うことが可能です。
形勢はやや黒が有利なだけですが、白はそこからどんな手を指したとしてもしばらくは形勢をひっくり返すような手筋はありません。つまり、黒はこの形にしてしまえば序盤から中盤の入り口を制したことになります。
というような、自分が採用している戦術に応じて、自分が有利な序盤の局面図をいくつかでも憶えておくと、とても役に立ちます。例えば、相手がうまく指してきて自分が知っている有利な局面にならないと判断できれば、そこで方針転換をすることが可能になります(もちろん、方針転換の際の方向性も事前に研究しておくほうがいいです)。
慣れると上の局面あたりまでは目をつぶってもさせるようになります。すると今度はその先の研究が可能になるわけですが、ここまでくるとだいぶ棋力がアップしているはずです。