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折々のチェスのレシピ(324)キャスリング考

キャスリングと序盤の駒組みが密接に関わっていることがよくわかる局面です。

黒は白のc4ビショップをどうにかするかもしくはそのビショップの効きを止めない限り、キングサイドにはキャスリングができなくなっています。これで黒は選択肢のひとつを(ほぼ)手放さざるを得なくなってしまいました。

だったら、クイーンサイドにキャスリングをすればいいのではと思われるかもしれませんが、

そんな暇もなく、厳しい手が飛んできます。ここからはほとんど一手一手で白が勝ちます。白はキャスリングをするしないの判断もすることなく勝ってしまうことになります。

キャスリングは実行したほうがいい場合としないほうがいい場合、あるいはどちらにするかで形勢ががらっと変わってしまう場合など、その局面局面に応じていくつものパターンがありますが、今回の例のように一方でもキャスリングの選択肢を序盤早々に消されてしまうとつらい駒組みを強いられてしまいます。


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