折々のチェスのレシピ(501)少しだけ高度な知識をあなたに
前回と似たような局面を選んでみました。
やはり相手がポーンを当ててきた局面です。前回をお読みの方はすぐにわかるように、これは手抜けます。つまり黒は一手をタダでもらったことになります。詰むか詰まないかで最後の一手を争うのがチェスですので、相手にタダで手を渡すのは余程のことがない限り悪手に分類されます。
次に黒は、
早くも白を追い込むような手が実現します。
相手にタダで手を渡すのが控えめに言っても緩手であると同時に、序盤のセンターをめぐる攻防でも白は遅れを取ってしまっています。このように後でセンターを崩そうとしてもかなり困難なことがこの例からは見て取れます。
極論をすれば、序盤はセンターの攻防でしかなく、それに負けた方が後でツケを支払うというのがチェスというゲームだと言えます。