チェスのレシピ(60) チェスでまずスコア1000点超えを目指す人のために
序盤です。白がポーンを進めてきました。
取ることも可能ですし、c4とポーンを進めることも可能ですし、f8のビショップで紐づいているポーンなので放っておくことも可能です。
取れば当然クイーンで取り返してくるでしょう。その後、黒には下のようないい手があります。
よって取ってしまっても悪くはありません。しかしこの後にこれといった手が続かなそうなので別の手を検討します。
c4とポーンを進める手はこの後説明する手を阻害するのでやりません。
ということで、放置して別の手を指してみましょう。
まずは、
白がc1のビショップを動かしたら白の陣地にルークが突っ込みますよ、という手です。白のビショップの動きを牽制しながら、b3としますか?と白に聞いています。
また、
これは以前ご紹介しましたが、白にキャスリングさせない手です。キャスリングできないけどどうしますか?という手です。c4とポーンを進めてしまうとこれができなくなります。
最後に、
次こそd4のポーンを取りますけどどうしますか?という手です。
どの手も相手に打診をする手です。第1図の局面からは黒はこれといって目覚ましい手はありません。だからといってh6などとしてしまうと相手にタダで手を渡してしまいます。
こういう局面では相手が対応を必要とする手を指して相手に手を渡すのが賢明です。
「強いチェスプレイヤーとは?」と尋ねられて、「相手の嫌がる手を指すプレイヤー」という趣旨の発言をしたのはたしかカスパロフだったと思います(違っていたらすみません)。
すべての局面で相手が嫌がる手を指せるわけではありませんが、手を渡す際には、相手に考えさせる手や対応を迫るような手を指すと、相手は自分のやりたい指し回しができなくなります。