
チェスのレシピ(16) チェスでまずスコア1000点超えを目指す人のために
このシリーズを読んで下さっている人はもう薄々感じているように、局面の説明に黒番をよく使っています。
なぜかと言えば、チェスは白が圧倒的に有利なゲームなわけですが、だからと言って黒で負け続けていいというものでもありせん。
仮に白で6割ぐらいの高勝率を上げていたとしても、黒で3割4割では負け越しかよくてトントンにしかなりません。
つまりチェスで総合的に勝ち越しを目指すには黒でも勝たないといけないわけです。
黒でドロー(引き分け)なら勝ちに等しいと言われますが、それはトッププレイヤーの話であって、素人同士のゲームであれば黒でも5割以上は勝ちたいところです。
そんなことから黒を例にあげることが多くなっています。
そして、シシリアン・ディフェンスを例に取ることも多いです。それは、黒の戦術としてシシリアン・ディフェンスが優れていると考えているからです。理由は、
1、白が初手e4とついてくるケースが多い。
2、急戦にも持久戦にも対応できる。
3、比較的早く黒が良くなる手筋がある。
いくら優れた戦術でも使うことがあまりないと意味がありません。その点、白が初手e4とついてくるケースが多いことから、シシリアン・ディフェンスは採用可能な頻度が高く、それだけ経験も蓄積されていきます。

上の図は黒がシシリアン・ディフェンスを採用し、白がやや急戦を仕掛けてきた局面です。
黒は次どう指しますか?
手が広い局面ではありますが、Bc5が最有力の手です。白のナイトを挟んで間接的に白の弱点であるf2の地点を狙う形になります。
この後、白は最善手を差し続けないと形勢は黒に傾きます。ちなみにBc5の次の手(白)の最善手はNxc6です。黒はbxc6と応じてまた手番が回ってきます。
これは一例ですが、シシリアン・ディフェンスは相手の急戦に対しても柔軟な対応が可能なことが多いです。