折々のチェスのレシピ(510)少しだけ高度な知識をあなたに
まったくお勧めはしない指し方です(黒)。
このサクリファイスは普通は通用しません。当たり前といえば当たり前です。ところが、まずは一局を通してご覧ください。
黒が勝ってしまいます。
キャスリングをできない状態にされた時には、キャスリングが可能な状態の駒組みと比較して、さらに攻めと守りの両方に目配せをしながら指していかないといけなくなります。白は駒得したからだと思いますが、攻め手ばかりに意識が行っており、自分がメイトされることを露も考えていない様子です。
白は序盤でeファイルのポーンを動かしていません。これもまた相手に付け入る隙を与えてしまっています。大きく駒損をしている黒が勝ってしまうのは、駒組みの妙であったりプレッシャーの掛け方であったり、どうもこの一局は黒のほうが上手です。
実際のところ、白の序盤は支離滅裂です。それを見た黒は「なんだこんな相手か」と感じるでしょう。だったら無理筋の仕掛けをしてやれ、ということになります。どうせどこかで間違うだろうと甘く見られているわけです。ということで、序盤は
精緻に組み立てましょう。