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千日手=和を以て貴しとす
「将棋世界」昭和50年2月号に作家の陳舜臣が興味深い話を載せている。
”中国の将棋(ふつう象棋という)では、千日手、ひきわけのことを「和」と称する。
亡父から聞いたことの受け売りだが、中国将棋は『和を以て貴しとす』であるそうだ。弱者がなんとか工夫して、せめて『和』にもちこもうとする。強者のほうでは、相手にあわせて、圧勝することを望まず、うまく『和』に持って行くように心がける。
「しまった!」
と、名人が呟いたときは、ポカをやったのではなく、『圧勝』の手を打ったことを意味する”
王将戦第5局で千日手が指されたばかりだが、こんなふうに千日手のことを考えたことがなかったので蒙を啓かれた思いである。
氏のデビュー作『枯草の根』では中国将棋が小道具として使われているそう。これはぜひ今度読んでみよう。