折々のチェスのレシピ（499）少しだけ高度な知識をあなたに
序盤です。
誰がどこから見ても黒が有利に戦いを進めています。ここ最近、センターポーン（とその両翼のポーン）を序盤に使わないで駒組みはできないことを何度か説明してきました。その前にはいきなりフィアンケットを組むこともまずできないことを説明しました。
その二つが組み合わさったのが上の局面です。
白は無謀にもフィアンケット一直線です。
黒は当然ながらe4とポーンを突いてきます。それに対してナイトをd4に逃すと追撃され、第１図まで黒に手を作られてしまいます。こうなると白はもう蜘蛛の巣にかかってしまった小さな昆虫でしかありません。
二手目で早くも白の悪夢は始まっており、そこから第１図までは必然です。初手から直線的にフィアンケットを組もうとすると、当たり前のことながらセンターを制圧されてしまいます。実に当たり前のことなのですが、この指し方をする人が後を絶ちません。なぜかは不明です。