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折々のチェスのレシピ(388)少しだけ高度な知識をあなたに

黒が機敏な手を指してきた局面です。

第1図

一見すると思惑がわかりにくい手ですが、かなり指せる人だろうと思わせる手です。これを同ポーンと取ってしまうと、d6にいるビショップの可動域が広がってしまい、白としては取りずらいです。ということで、戦場から遠ざかるために、ここで白は、

キャスリングをしておくのが最善だろうと思われます。

ただ、

少し手が進むとこうした局面を迎えます。現局面でd4にいるのがクイーンであってもナイトであっても同じです。

ここまで黒にポーンの守りを固められてしまうと、白としてはなかなか手出しができなくなってしまいます。基本的には、安い駒(ポーン)を排除していくには、同じく安い駒であるポーンを使うのが定跡ではありますが、この局面に至ってしまっては、それも難しいです。

この局面に至るまでに、

白は自分のふたつのビショップを黒のふたつのナイトと交換して上のような局面を作りました。c、fファイルにダブルポーンを作らせたことで満足したようです。これはこれで悪いとまでは言えませんが、このままだと第1図になってしまいます。

だとすると、この時点で白は相手ポーンの駒組みを崩すような手を指していないとおかしいことになります。例えば、

このポーンを取られたら瞬間的には駒損にはなるものの、そのポーンは単独で進出してくることはないため、いずれ捌くことが可能です。瞬間的な駒損を恐れるよりも、こうして相手の安い駒での守りを安い駒で捌いていかないと、そのうち安い駒では捌くことができなくなってしまいます


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