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折々のチェスのレシピ(159)

黒が決断の一手を放ってきました。

第1図

決断の、というのは、白が次の一手を間違うと黒がかなり優勢となり、最善手を指すとドローになるからです。つまり、すでに白には勝ちがない局面になっています。後手の黒としてはこれでまずまず御の字でしょう。

さて、白の次の一手は案外難しいのではないでしょうか。

ドローにするにはこれしかありません。当然黒はこのルークを取ってきますので、白はQe8としてチェック&ルーク取りを掛けますが、その後お互いに最善手を指すと下の形になります。

これでドローが確定しました。

第1図からここまでの過程で白が別の手を指すと、黒が優勢となり、ミスをしなければ黒が勝つ形になります。

第1図においてソフトやAIの評価では形勢はまったくの互角なのですが、先手でありながらここまでに優勢を築けなかった白が実質的には負けだといえます。


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