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折々のチェスのレシピ(376)少しだけ高度な知識をあなたに
少し見慣れない局面かもしれません。
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黒はまだポーンしか動かしていません。かなり変則的な指し回しに感じられるかもしれませんが、白にセンターを作らせる代わりに、黒は右辺にスペースを作ることによってそれを相殺しようという手筋です。
これは、(白のセンターポーン)対(黒のスペース)の戦いになります。上の局面を見てもらえれば、黒は右辺に利用可能なスペースがいろいろできていることがわかります。
ここまで局面が進むと白は黒に与えてしまったスペースを回復することが困難で、例えば次のような進行が考えられます。
![](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/139740551/picture_pc_75f3a1f9a96fb8b6aebfc7e7d724473a.gif?width=1200)
上のアニメーションgifが終わった時点の局面、
![](https://assets.st-note.com/img/1714995777950-RxtxjNwyEk.png?width=1200)
ここまで進むと若干ですが黒が指しやすくなっています。というのは、白からは次の手が難しいからです。多くのプレイヤーは左からの攻めを恐れてここでキャスリングしてきます。
しかし、そのもらった一手で、
![](https://assets.st-note.com/img/1714996021787-BqgHhoLzMJ.png?width=1200)
黒はナイトを戦力化する準備が可能です。これで勝敗がはっきりしたなどという局面ではありませんが、一手遅れの不利な後手としても十分勝ちが望める駒組みになっています。
黒で右辺のスペースを取っていくこの形は最近少しですがご紹介したばかりです。「折々のチェスのレシピ(362)」の中で最後に出てくる局面図です。つまり、他の戦型や戦術でも応用が可能な形だということです。これらの駒組みもソフトやAIの登場によって再評価されたり改良された形のひとつだと言われています。