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折々のチェスのレシピ(446)少しだけ高度な知識をあなたに

フィアンケットはなかなか難しいということを何度か書きました。その難しいフィアンケットを両翼でやってくる人も稀にいます(もちろん無謀です)。

あまり出会うことがないので対応を考えていない人も多いかと思いますので、この時の手筋をご紹介しておきます。

上の局面からNf3でも、もちろん何の問題もありませんが、

端のポーンをひとつ進めて相手の出方を伺います。

黒はセンターのポーンを使っていないのでe6などとしてくる可能性が高いです。そうしたらまた端(hファイル)のポーンを進めます。

第4図

こうなると流石に黒も受けてくるはずです。もし受けてこない場合は、

第5図

さらにポーンを進めてしまいます。

第4図、第5図のどちらであっても黒はもうキングサイドにはキャスリングが難しいです(リスクが高すぎます)。よって白は、黒のキングはクイーンサイドにキャスリングをするか、もはやキャスリングができないと判断して手を作っていくことが可能になります

端(hファイル)のポーンを二手かけて進出させるので手損のように感じられるかもしれませんが、白はすでにセンターを制圧しており、これからナイトやビショップを展開していってもまったく遅くありません。つまり今回の黒のように初めから両翼のフィアンケットを狙うとこういう事態を招きます。


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