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三連勝後、四連敗ということはまず考えられない

「七番勝負で、三連勝すれば、タイトルは大体手に入れたも同然といえる。以後四連敗ということは、まず考えられないからだ」

この言葉は、大山康晴王将の言葉である(「将棋世界」昭和43年4月号)。

しかし、平成を知る私たちは上の言葉が外れることもあることを知ってしまった。第21期竜王戦7番勝負がそれである。渡辺明竜王対羽生善治名人(肩書きはいずれも当時)。

三連勝後四連敗という結果が将棋史上初めてのことだっただけでなく、勝ったほうがこれもまた将棋史上初の永世竜王となるという話題性も高かった番勝負だった。

この対戦の記憶が強烈すぎて忘れられているような気がするのが、もう一つの三連勝後四連敗のタイトル戦。それが、第50期王将戦深浦康市王将対木村一基八段戦。

先ほどの第21期竜王戦から半年ほど後の2009年の夏。

先に3連勝したのは、木村一基挑戦者だったが、そこから深浦王位が4連勝して防衛に成功。

こうして、棋界に伝わってきた「七番勝負における3連勝4連敗は出現しない」という格言は破られたのであった。

元をたどるとこの格言、大山康晴十五世名人の言葉だったのだろうか。




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