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新生東京女子医科大学のための諮問委員会問委員会 委員のみなさまへ (5)
新生東京女子医科大学のための諮問委員会問委員会 委員のみなさまへ (5)
女子医大を復活させるOGの会有志りぼんの会
2024年9月25日
第 5 回新生東京女子医科大学のための諮問委員会要録を拝読いたしました。新理事会の発足に向けて少しずつ、しかし着実に進んでいる様子が分かりました。大学が至誠会に謝罪をし、関係の再構築も始まるようで、良い方向に向かっていることを感じました。ご尽力誠にありがとうございます。それにしても、現理事会が至誠会からの要望に「無条件に撤回できない」といっている項目とはどんなものなのでしょう。
今の私たちの最大の関心はやはり新しい理事会です。
どのように理事が選抜され、誰が理事長としてリーダーシップを取るのか。
固唾をのんで見守っています。
1. 女子医大とJALの相違
事業再生というテーマが日本で語られるとき、JALの復活は欠かせない物語だと思います。その文脈からでしょうか、今回の諮問委員会委員にはJALの方も参加されています。確かにJALから学ぶことは多いでしょう。
しかし、旧JALの破綻と女子医大が岩本絹子氏と現理事会による独裁政権によって抱えてしまった問題にはなにか大きな、根本的な違いがあるように思います。
女子医大に起きた問題を経営や経済の問題とのみ捉えてしまうことの危うさを感じます。
とても簡単にまとめてしまうことご容赦下さい。
旧JALの抱えた問題が巨大国家的企業のお役所のような経営と職員マインドからの脱却だったとすれば、女子医大で起きていた問題は心理的暴力と経済的搾取による家庭内(機関内)暴力です。人的災害、心理的被害は深く食い込んでいると考えます。ですから、女子医大がいま取り組むべきは職員同士の信頼感の回復、医療者としての自己肯定感や自信の回復、(人事、経済)被害からの回復、彼らの回復力(レジリエンス)の強化であり、その上にこそ復活があります。
2. 新理事会の在り方に望むこと
教職員の安心と安全の担保はとても重要です。そのためにも、自分のクビをかけて、声を上げて、患者さんを守って、職員を守って、闘ってきた人たちの声がしっかり届いて、そして反映される理事会となるよう、重ねてお願いいたします。
3. 新理事や新理事長の資質に望むこと
第三者委員会報告書では、PICUの解体について「岩本氏の重大な経営判断の誤り」と断罪されていました。私たちも、心からそう思います。岩本氏がPICUを「切った」のは、目先の経営に走って彼女が大学病院に求められる使命・社会的責任・医療人としてのプライドを全く理解していなかったから。だから、新しい理事長や理事には、女子医大が持つ人的資源、医療資源(宝庫です)を十二分に生かすことができる真の医療者に来ていただきたい。
経済界から経営のスペシャリストの木下直哉氏が非医師理事として2023年4月に理事会に入りました。理事長補佐、院長補佐等要職につき、存在感こそ存分にアピールしておられましたが、結果的にはなんら良い変革は起こせませんでした。ここから見ても、企業経営と大学病院は違う、ということがよくわかります。
昨今では病院経営学が大きな研究テーマになっているのが現状です。今までの理事会は、明らかにこれらの視点が欠けた集団でした。新理事会においては、最新の知識をアップデートできる病院経営者としてのプロ集団に育つように期待しています。医師の資格だけでなく、細分化した専門家がいるように、事務(医事)、会計、設計、弁護士にきちんと病院経営の専門家を配置していただきたいです。
4. 早期の病院長交代を歓迎
病院機能の再生のために、できる限り早期の病院長交代を歓迎することを再度強調いたします。病院長交代の意義は、院内スタッフ、新規採用者(HPを見ます)地域連携医師会・周辺基幹病院へのあいさつ回りなど、患者様、関係企業に対しても、病院が刷新したことを示す一番の広報となることにあります。理事が交代しただけでは、何が変わったのか、医療機関としての女子医大ステークホルダーには届きにくいと思われます。
最後に、もう一度言わせてください。私たちは、ブレずに身体を張って行動を起こし続けてきた足元のステークホルダーにこそ、女子医大の未来を託したいと思います。彼らは今も女子医大にいて、懸命に働いています。どうか目を向けて、耳を傾けて下さい。
以上