新生東京女子医科大学のための諮問委員会問委員会 委員のみなさまへ(3)
新生東京女子医科大学のための諮問委員会問委員会 委員のみなさまへ(3)
女子医大を復活させるOGの会有志りぼんの会
2024年9月12日
委員の皆様にはお忙しいところ、東京女子医科大学の再建に向けてご尽力いただき、心より感謝申し上げます。9月10日には院内職員に向けての説明会も実施して下さったとのこと、多くの質問や提案があったと聞きます。これら意見によく耳を傾けて、取り上げていただけると幸甚です。
私たち「女子医大を復活させるOGの会有志りぼんの会」(通称:りぼんの会)は、女子医大の卒業生として、母校の再建と発展を切に願い活動しているグループです。私たちは、大学の未来を見据え、さまざまな形でサポートを行いながら、その改革に尽力してまいりました。
りぼんの会が匿名で活動している理由
りぼんの会が匿名で活動している背景には、いくつかの重要な理由がございました。まず、2023年1月にOG会として大学に提言書を提出した際、そのメンバーのうち6名が、岩本絹子元理事長及び大学側から名誉毀損で訴えられました。この訴訟では、OG会側が第一審・第二審ともに勝訴しましたが、大学側は最高裁に上告するという事態に発展しました。岩本氏が解任となって、この上告は取り下げられましたが、当時の大学理事会のメンバーが現在も多く残っており、再び法的リスクが生じる可能性を懸念しています。
また、内部監査室の存在も私たちが匿名で活動を続ける理由の一つです。かつて学内には、強力な監査体制が整備され、監視が非常に厳しく行われていました。大学への電話やTWMUアドレスメールに対する監視のみならず、およそ1か月にわたって探偵に後をつけられた職員もいました。この監査室が現在どのように機能しているのかは不明ですが、私たちは協力者や大学内の教職員の立場を守るため、慎重に対応する必要があります。
しかし、この度の第3回貴委員会要録には、「りぼんの会については、会の責任者等を明示してもらうことが望ましいとの意見があった」とのご指摘がありました。私たちの質問状を読んで下さり、心から感謝いたします。このご指摘に鑑み、私たちは、この度諮問委員会の委員の皆様に限定して私たちの情報を開示しようと決心いたしました。諮問委員会の皆様と直接対話し、提言させていただきたいからです。開示情報につきましては、この手紙の末尾をご覧ください。ただし、上述しましたように懸念が完全に解消されたわけではありませんので、私たちの情報についてはどうぞ諮問委員会内でのみお納めいただくようお願いいたします。
活動の目的と成果
りぼんの会は、2022年9月に実施した岩本絹子氏に対する刑事告発の署名人数名とその賛同者による卒業生からなるチームです。岩本氏が理事長就任後に、院内卒業生や元同僚から次々届くことになった大学や附属医療機関の窮状に対して強い懸念を抱き、「サイレントマジョリティ」とならぬように、これまで女子医大の卒業生として母校に対して責任ある行動を取ってまいりました。私たちの活動は、大学の運営や至誠会の改革に関する情報の共有と具体的な提言を行うことを目的としています。特に、大学内の不正や不透明な運営が問題視される中、私たちは岩本絹子元理事長に対する刑事告発、新たな至誠会の課題も含め、正しい情報を広く共有することを重視してきました。
2023年3月、私たちの刑事告発はついに警察庁に受理され、大学やその運営に関して大きな変化がもたらされました。これにより、私たちの活動が大学の改善に少なからず貢献できたと感じております。また、りぼんの会メンバーは文部科学省への訪問や第三者委員会との対話を通じ、大学の再生に向けた具体的な提案を行ってまいりました。
諮問委員会への質問と提言
諮問委員会の皆様に理解していただきたいことがあります。それは、岩本氏が副理事長に就任して以来10年、とりわけ彼女が理事長の職位にあった2019年以降過去5年間に女子医大を襲ったのは、まさに「人的災害」であった、ということです。そして、この「人的災害」によって被害者が体験したのは「心理的暴力」と「権力による理不尽な支配」でした。
加害者は、岩本元理事長だけに留まりません。現理事会、そして岩本理事長と理事会活動を支えた内部監査室と経営統括部も加害集団に含まれると考えております。事件の背景には確かに大学全体を覆う経済的危機もあったでしょう。創業者一族による経営体制という前提や、私立学校法の不備も背景の一端でした。
しかし、それらはおそらく本質的なものではないように思われます。問題の本質は岩本氏という極めて特異な存在と、彼女の問題行動を利己や保身から積極的に支え続けた理事会等周辺にあります。彼らは年余にわたって女子医大教職員に著しい心理的攻撃を与え続けながら、搾取し、一方で自分たちは私利私欲を貪りました。正直なところ、これを「ガバナンスの問題」「岩本一強」とまとめてしまうことに大きな違和感があります。理事たちには岩本氏と同等か、またはそれ以上の責任があります。その結果、教職員の間では恐怖と不信感、無力感が蔓延することにもなりました。しかし、そのような状況下にあっても内外のステークホルダーが立ち上がり、力を合わせて、あるいは力を振り絞って渾身の自浄作用を働かせ、やっとここまでたどり着いたのが現状です。ここには、非常に稀有な物語が存在したというべきでしょう。
今後、万が一このようなトップとトップ集団による「人的災害」が再び生じた場合、どう対応するのか?その監視機構はどうなるのか?そのような発想も貴委員会には必要なのではないでしょうか。
私たちは、新生女子医大に最初に必要なのは教職員が負った重度の心理的負荷に対する対策であると考えます。心理的負荷に対する初動で重要なのは、被害・災害の源を取り除くこと、つまり、現理事会を即時退陣させること、そして、被害者である教職員の安心、安全、安眠を守り、尊重し、彼らの回復力(レジリエンス)をできる限り高めていくことです。
このような観点から、私たちはすでに2つの質問状を諮問委員会に提出させていただいています。その内容について、ここで再度ご説明いたします。
1つ目の質問状では、現理事会の運営に対する懸念を示し、特に理事・監事・評議員の選考に関して公平に行われているのか疑問を投げかけました。私たちは、理事会の影響を受けない形で、公正かつ透明性のある選考を求めています。特に病院長の選任については、現場の信頼を取り戻すためにも、即時辞任が必要であり、その後臨床部長会で代行者を選任し、教授会を通じて後任選考が行われることを強く望んでおります。
2つ目の質問状では、8月26日に開催された臨時教授会での議論が、諮問委員会に正確に伝わっていない可能性があることについて指摘いたしました。臨時教授会の意見が現理事会の報告を通じて歪曲されて伝わっているのではないかという懸念があります。私たちは、教授会の意見がしっかりと反映され、大学の運営において透明性が保たれることを強く求めています。
今後の提言
以上を踏まえ、私たちは以下の提言を再度強調いたします。
病院長の交代と後任選考の透明性
現在の病院長には、即時辞任を求めます。その後、臨床部長会で代行者を選出し、正式な病院長選考は教授会を通じて透明に進めていただくことを提案いたします。理事会・評議員会の公正な運営
理事・監事・評議員の選任において、現理事会の影響を受けない形での選考が行われるべきです。現場の意見を重視し、大学の再生にふさわしい人材を選出することが、最優先事項であると考えます。教授会の意見を尊重した運営
臨時教授会で提起された意見が正確に諮問委員会に伝わるよう、現理事会による一方的な情報伝達ではなく、教授会との密接な連携が求められます。
私たちは、諮問委員会が女子医大の真の再生を目指し、ステークホルダー全員の意見を取り入れた透明な運営を進めていくことを心より期待しております。何卒、引き続きご支援とご指導を賜りますようお願い申し上げます。
敬具
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