東京女子医科大学第三者委員会の皆様へ
第三者委員会の皆様へ
はじめまして。
私たちは女子医大を復活させるOGの会有志りぼんの会と申します。メンバー全員が東京女子医科大学を卒業した後同大学医療機関で研修を受けており、現在は院外の医療機関で医師として働いております。
今回の貴委員会のホットライン設置に伴い、りぼんの会には、『岩本絹子理事長と現理事会の問題について訴えたいことは山のようにあるが、訴えたことで後に報復を受けるのではないか』と危惧しているとの相談が相次いでいます。
私たちがホットラインの書面を読みました限りでは、残念ながら、情報提供者へ即座に「委員会は間違いなく中立なので、すぐに通報するように」と返答できない懸念が幾つか浮上して参りました。
その懸念をここに述べます。
第一に、書面には、このホットラインが「大学資金の不正支出の有無及びその状況に関する事実関係、関係する内部統制ないしガバナンス上の問題の有無及びその状況の調査を行なっている」のに従い、「上記調査の一環として当委員会専用の学内関係者向けホットラインを開設」したとあります。
ここからは、このホットラインを含む調査の範囲は大学資金の不正支出に限定されたものであり、この問題に関わらない、あるいは関わっていたとしてもわずかであると判断された通報は、ホットラインの本来の意義から外れるものとして、第三者委員会における議論の俎上に上げていただけない可能性があるようにも読めます。
第二に、情報の取り扱いや守秘義務についての記載の中に、「現理事会に情報は渡らない」という確約はなく、万が一渡った場合の責任の所在も明らかにされていません。また、通報者に実名の開示を求めていながら、その通報者の安全の確保、例えば「免責についての明確な記載」も見当たりません。
これらのことから、私たちは以下の点について第三者委員会に早急に回答を求めたく存じます。
1) 貴委員会が調査する「大学資金の不正支出の有無及びその状況に関する事実関係、関係する内部統制ないしガバナンス上の問題の有無及びその状況」で情報提供として求められる範囲について、より具体的にご提示ください。
2) 通報者の安全の確保、さらに免責について、より具体的にお示しいただくとともに、通報者の情報が理事会に伝わったり、通報後に何らかの不利益がもたらされた場合の責任の所在もまたお示し下さい。
3) 合わせて、通報者が、後に通報とは別件で大学から懲戒など処罰を受けた場合について、第三者委員会はこれを監視するなどして関与していく姿勢があるかどうかもお伺いしたく存じます。
なお、今回のこの質問状においては、私たちは実名は出さず「りぼんの会」一同として提出させていただきます。その理由は、2023年1月に、りぼんの会を含む旧OG会メンバーが提出した提言書において、代表者として名前を連ねるなどした卒業生6名は、その後東京女子医科大学から名誉毀損の民事訴訟を起こされているからです。この民事訴訟については第一審でOG会側全面勝訴となりましたが、女子医大側はこれを不服として現在も係争中です。このような状況にありますので、私たちは上記質問に対し、第三者委員会の明確な回答が得られてから、情報提供について検討したいと存じております。
この質問状は、貴委員会に郵送すると同時に、X(Twitter)とNote上で公開いたします。貴委員会の回答もまたX(Twitter)とNoteで公開する予定でおります。ひとえに勇気をもって通報する女子医大職員・元職員の心理的、社会的安全確保のためですので、ぜひご協力をお願いいたします。
2024年5月19日
女子医大を復活させるOGの会有志りぼんの会 一同
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