
キャリコンが読んだ本2024(再読、再再読含む)
今年も仕事でバタバタでしたが、なんとか読書は継続できたと思います。
今年読んだ本を全部ではないですが、とても勉強になったり印象深いものを分野別にラインナップします。
🔹心理系
やはり仕事柄この分野の本が多かった、試験があったこともあり心理学への理解を深める必要があったので。東畑開人さんと斎藤環さんのファンとしては彼らの本が出ると読んでしまう。「ケアを開く」シリーズの本も多かった、近年哲学や社会学と心理学の交差が目覚ましい成果を挙げていると感じられる。
『発達障害当事者研究』綾屋紗月、熊谷晋一郎
『あらゆることは、今起こる』柴崎友香
『責任の生成 中動態と当事者研究』國分功一郎、熊谷晋一郎
『雨の日の心理学』東畑開人
『イルカと否定神学』斎藤環
『はじめての家族療法』松本健輔
『行動分析学入門』杉山尚子
『ひきこもりの30年を振り返る』石川良子、林恭子、斎藤環
『カール・ロジャーズ』諸富祥彦
『カウンセリング心理学入門』國分康隆
『鏡の傾聴』岩松正史
『否定しない習慣』林健太郎
🔹人事組織論
2000年くらいからジョブ型が議論され、2020年代は第二次ブームと言える状況の中で、”なんちゃってジョブ型”の弊害も顕在化してきた。自営型という新しい概念も登場しており、この分野は継続的にウオッチが必要。
『「自営型で働く時代」ジョブ型はもう古い!』太田肇
『人事の組み立て-脱日本型雇用のトリセツ』海老原嗣生
『人事の企み』海老原嗣生
『人材開発、組織開発コンサルティング』中原淳
『日本版ジョブ型人事ハンドブック』加藤守和
『人事の経済学』鶴光太郎
『丼屋の経営』田中研之輔
🔹キャリア論
1on1のカウンセリングをベースとするキャリコン界も社会正義に基づく環境の把握、環境への介入が必要とされている。リスキリングについても流行ワードで終わらせず、社会的に実装するフェーズに入っていると思う
『社会正義のキャリア支援』下村英雄
『メタ思考』澤円
『その幸運は偶然じゃないんです』クランボルツ
『働き方改革の世界史』濱口桂一郎
『リスキリングは経営課題 日本企業の学びとキャリア』小林祐児
🔹外国人雇用・制度比較
外国人雇用については、在留資格の法制度を中心に勉強した1年だった。その中で、企業側の制度の違いや制度変更に着目。それなので組織論や社会学の視点から外国人就労を考える視座の必要性を感じた。
『日本を愛する外国人がなぜ日本企業で活躍できないのか』九門大士
『アインは見た、碧い空』近藤秀将
🔹哲学
哲学は以前は単なる趣味でしたが、キャリアの仕事の関係で役に立つことがある気がしている。主体、意志、偶然と必然、この私、認識、信念、言葉、意味、これらの概念はキャリアを語るのに深く理解が必要だし、哲学という分野では長い歴史の中で議論されてきたのである
『偶然を飼い慣らす』イアン・ハッキング
『中動態の世界』國分功一郎
『自由意志の向こう側』木島泰三
『訂正可能性の哲学』東浩紀
『眼がスクリーンになるとき』福尾匠
『よくよく考え抜いたら世界はきらめいていた』関野哲也
🔹社会学
哲学同様、社会学がキャリアの仕事にクロスする場面はかなり多いと思う。人間にとってキャリアは人生の中でも比重が大きい以上は社会学的な視点で見ることも重要。今年はあまり読めなかったが経済学も同様に重要。
『東京の生活史』岸政彦
『ブルデュー ディスタンクシオン』岸政彦
『ハマータウンの野郎ども』ポール・ウイリス
『アルコホリズムの社会学』野口裕二
『日本を支配する社会の慣習』小熊英二
🔹文学
人が世界をどのように見ているのか、内面から出る声とはどんな声なのかについて文学は最も精緻にかつ鋭敏に表現する。キャリアを語る上で文学に浸ることはやった方がいい
『すべての白いものたちの』ハン・ガン
『偉大な作家生活には病院生活が必要だ』中原昌也
『東京都同情塔』九段理江
『木』幸田文
🔹アート
最近はアート経営も言われているし、ビジネスとアートがとても接近してる。VUCAの時代、美とかエモは世界を制する。個人的にも東京藝大のキュレーション講座を受講してとても刺激を受けました
『ポスト人新世の芸術』山本浩貴
『近代を彫刻/超克する』小田原のどか
『世界視点で読む 企業戦略とアート』上坂真人
『アート思考の技術』長谷川一英
『世界のエリートはなぜ美意識を鍛えるのか』山口周
『言葉と衣服』蘆田裕史
🔹漫画
ぶっ飛んんだストーリー、過激なエモーション。キャリコンは漫画から学ぶことは多いと思う。感性を磨き、アンテナを張ろう!
『チ。』魚豊
『電話・睡眠・音楽』川勝徳重
『波よ聞いてくれ』沙村広明
『船を建てる』鈴木志保