もしもに備え、島民の暮らしと仕事を守る。Rebglo.の発電池システム、福岡の離島で研究スタート
(写真提供:福岡市)
地震や台風などの災害発生時に急務となるのは、電気やガス、水道など生活インフラの確保です。中でも離島は、生活の糧を船に依存する場合が多く、台風などで海が荒れると復旧が大幅に遅れ、島民の生活にも大きな打撃を与えます。
BCPにも活用できる非常用電源を展開しているRebglo.(リブグロ)の「REBGLO発電池システム」は、そんな災害発生時の代替電源として72時間稼働し、市民に安心をもたらす画期的なパッケージ。2023年6月には、東京大学 生産技術研究所 沼田研究室との共同研究の一環として、福岡県福岡市の離島をフィールドに「災害時の電源確保に関する定量的な指標の検討」に向けた研究を開始しています。
本記事では、研究前の事前説明会と市長視察の模様をレポート。島民の反応も、合わせてご紹介します。
災害対策が島の優先課題。災害に強い街づくりを目指す
研究の地となったのは、福岡市西区の玄界島。福岡の海の玄関口・ベイサイドプレイス博多から、船で35分の距離にあります。人口は令和5年5月末現在で約360人、就業者数の半分以上は漁業関係者です。
昔から続くのどかな風景の街ですが、2005年(平成17年)3月20日に発生した福岡県西方沖地震では、大きな被害を受けました。死者こそ出なかったものの、住宅の半数が全壊。漁港も壊滅的なダメージを受けました。この教訓から、災害に強い街づくりが島の大きな課題となりました。
一方、Rebglo.側は「REBGLO発電池システム」の研究ができる場を探していました。福岡市の公民連携ワンストップ窓口「mirai@」からの紹介で玄界島に着目し、2023年6月14日より研究スタートとなりました。
島民にとって大きな安心材料に
説明会当日は、Rebglo.代表の村越誠と、株式会社シーエープラント、東京大学生産技術研究所の沼田宗純研究室メンバーなどが島を訪問。島民を集めて機器の使い方のレクチャーや質疑応答が行われました。
玄界島では、電力は海底ケーブルにより供給されています。島外から頼らざるを得ないからこそ、もしもの事態における電力の確保は大きな課題です。
代表の村越からは、次のように説明がありました。
「すでに設置は終わっていてすぐに使っていただける状況。研究期間中に、災害が何も起きないことがベストだが、もしもの時でも1分以内に電力が切り替わり送電が始まるので安心してください」
また島民からは使い方やメンテナンスなどについて質問が上がり、ひとつずつ丁寧に回答されました。
今回、機器が設置されたのは公民館の1階と、漁協の製氷機および冷凍庫。公民館は、島民の避難場所として活用され、スマホの充電などもできます。
また漁協施設は、漁業組合から特別にリクエストされて設置に至ったもの。漁業を生業とする住民が多く、福岡市内でも最大規模の漁業組合を持つ玄界島にとって、災害時に漁業へのダメージを可能な限り抑えることが必要なのです。
玄界島の漁業組合の代表である松田武治さんは言います。
「先日の台風14号でも、停電が起こり製氷機の氷が一部溶けたまま、再び固まってしまいました。3.5トンの氷の塊を、30人がかりで解凍させるという、大変な手間だったんです。離島ですから、海が荒れていれば電力会社が復旧作業に来れないこともありますし。ですから今回の『REBGLO発電池システム』の設置は、島民みんなにとって大きな安心材料です」
離島での先行事例を全国に生かす
また、福岡市の高島宗一郎市長も視察のために来島。「REBGLO発電池システム」の説明を改めて受けながら、島民と交流し、激励する様子が伺えました。
今回の研究は2024年3月末まで行われ、期間中に災害が起きなくても、稼働データを取得することなどにより災害時に必要な電力に関する指標を得ることができます。
福岡県には、8つの離島があります。今回の研究事例は、8つの離島の代表者で構成される離島振興協議会でも話題になり、興味を示されたとのこと。この研究が成果をあげ、日本中の離島にも、いざというときのために「REBGLO発電池システム」が導入されるようになることを、我々Rebglo.としても願っています。
発電機と蓄電池の強みを組み合わせた、BCP対応電源「REBGLO発電池システム」
サスティナブルな高性能バッテリーと経済性/環境性を両立する、ガス発電機をシステム化した発電池システム。災害時だけでなく、平時でも日常的に活用することでコスト削減に貢献する、 BCPと経済性、SDGsに対応できる唯一の電力BCPシステムです。
執筆・撮影:佐藤渉
編集:Number X