フケを撲滅する固形石鹸レシピを探究。ホットプロセスとリバッチでどこまでいけるか
ちょっとフケが多く、肩の上で結構目立つのを気にしていた家族。
サクセス+フルフルでぼちぼちごまかしていたものの、最近ちょっと枕に付くフケの量が増えた。
思い立って塩山盛り石鹸で頭を洗ったらフケが激減。
そこから始まった、フケ撲滅シャンプーバー(固形石鹸)レシピの試行錯誤の記録メモ。
まとめ
パームオイルはフケを爆発的に増やす
キサンタンガムは塩石鹸の泡持ち向上に使える
塩、フケ撲滅には要らないかも
①塩山盛り石鹸(ハーフソルトバー)でフケ激減
ホットプロセスで作るレシピ
レシピはゆりくまさんのハーフソルトバーほぼそのまんま
ココナッツオイル:80%
ひまし油(キャスターオイル):20%
ディスカウント:0%
0%なのでpHチェック必須。危険注意。
0%にする理由は、残留オイルが頭皮にどう影響するか読めないなか、スーパーファットにするオイルを後で調整したいから。
水分量:30%
塩:オイル合計と同量
作り方(これまたゆりくまさんのSHP。めちゃ楽。)
オイルと冷ましていない苛性ソーダを攪拌。
トレースしたら塩を追加、混ぜて型入れ。
ハーフソルトバーは硬い・脆いので、出来た石鹸が包丁で切れないらしい。ので、石鹸として使うサイズになる大きさ・形の型を複数使う。
熱湯を注いだ炊飯器で保温。3時間くらい?
型から出す。
注意:ホットプロセスでは塩を入れるのは保温後にすべきだったかも。型の中で塩析状態(塩水の中に石鹸の塊が沈んでいる)で発見してしまったのをどうにかリカバリーして作った。
ハーフソルトバー、フケに効いた感。しかしUXに課題
ちょっと気が向いてボディ用のつもりで作ったこのハーフソルトバー。
そんなとき、家族のフケが悪化。散ったフケで枕が惨状に。
フケの原因のひとつに、頭皮でのマラセチア菌大量発生がある。そして塩って制菌効果あるって言うなと思い立ち、ハーフソルトバーで頭を洗ったらフケ減らないかなーとシャンプー代わりに使ってもらった。
元々高額なフケ専用シャンプーなど使ってやっとマシになってたくらいなので期待は大してしていなかったが、、
翌朝の枕、フケの量が激減!
もうシャンプー使わずに塩石鹸で頭洗えばいいじゃん!
と喜んだのも束の間、ユーザ様から「泡立ちが悪い」とご不満が。
それはそう。
塩のせいで泡立ちが悪化するのを最小限にするために、ほとんどココナッツオイルで出来てるから、この石鹸。
ココナッツオイルは泡立ちはいいものの、泡持ちが悪くてすぐに泡が消えるので、「泡立ちが悪い」と感じてしまうのは、とてもよく分かる。
そして洗う様子を見ていると、泡立たせようとしてガシガシ頭皮をこすっている。それは良くない。
石鹸のUXとして泡は大事なのだと納得し、改良版を制作した。
②パームオイルで泡持ち改善ハーフソルトバー
リバッチで作るレシピ
レシピ
上記のハーフソルトバー:オイル重量換算で80g
ココナッツオイル80%、ひまし油(キャスターオイル)20%、ディスカウント0%
パームオイル100%石鹸:オイル重量換算で20g
SHPで作ったもの。ディスカウント0%、水分量30%
塩:20g
ハーフソルトを維持するため。
作り方:レンジを使ったリバッチ。リバッチは組成の試行錯誤しやすくて最高。
石鹸類をおおざっぱに薄切りする
塩と石鹸類をシリコンモールドの深めの型に入れ、レンジへ。
型から石鹸が溢れそうになったらレンジを止めてかき混ぜ、落ち着いたら再度レンジへ
石鹸の塊や粒が無くなるまでレンジ・かき混ぜるを繰り返す
いい感じに柔らかくなったら最後に全体を混ぜて、そのまま型の中で成型
常温放置して冷し固める
注意:
塩石鹸のレンジリバッチは結構トラブルが多い。
型の中で塩析状態になってしまったら、潔く水を捨てるか水が飛ぶまでレンジにかけるかする。
使っても問題なかったが、レンジにかけすぎるとショウガ臭がしてくる。何かが変質している、、、
塩を後入れしようとすると、温度低下で石鹸がモロモロになってしまい混ぜられなくなるため、断念
結果、フケ爆発。パームオイルが合わない、、、別の泡持ち改善手段が必要に
泡持ちはまあまあ改善。泡の量はまだちょっと少ない。
そして翌朝。枕がフケで惨劇になっている。
そんな即効フケ増えるとかあるのか。
パームオイルアレルギー?とにかく合わない様子なのでパームオイル使用は諦めることに。
ちなみにパームオイルに多く含まれるパルミチン酸には、下記の作用があると言われているらしい。
皮脂腺活動の抑制
毛包角化
起炎
あと、パルミチン酸カリウム(液体の石鹸化合物。個体だとパルミチン酸ナトリウム)には、スクワラン(皮脂の主要成分の一つ。再生は早い)は良く落とし、コレステロール(細胞間脂質、再生が遅い)はあまり落とさない選択洗浄性を持つ。らしい。
これがフケ爆発と何か関係があるのか、、パルミチン酸なんてココナッツオイルにもそこそこ含まれる。
と、ここではたと、これが何タイプのフケなのか分かっていない事に気づき、パームオイル問題は一旦横に置いといて、色々調べた。
フケは大雑把に乾燥性と脂漏性の2タイプあり、対策もちょっと違うらしい。
、、、うん。うちの家族がどっちタイプか、判断が付かないぞ!
顔や体は乾燥肌
フケは薄くて細かめ、固まりにはなっていない
べたべたしている様子もない
でも頭皮のところどころに薄いパリパリのカサブタ状に張り付いている
頭皮はうっすら上気したように赤い
結局わからなかったので、とりあえず爆発したフケをホホバオイルでパック&マッサージしてみた。
翌朝の枕は平和そのもの。
頭皮を見ると、フケ一掃されてる!
てことは脂漏性か。脂漏性のフケか。
と言う事は、保湿ではなく、皮脂が良く取れる方向性が良いのか?
それはさておき、まずはパームオイルを使わないで泡持ちの問題をどうにかしよう。
③キサンタンガムで泡持ち改善ハーフソルトバー
リバッチで作るレシピ
レシピ
①のハーフソルトバー:オイル重量で50g
ココナッツオイル80%、ひまし油(キャスターオイル)20%、オイル同量の塩、ディスカウント0%、水分量30%
水:5g
キサンタンガムを溶かす用。無くてもいいかも。
キサンタンガム:小指の爪半分くらい
泡持ちを良くする増粘剤。
泡持ちはこの量でもそこそこ良くなるが、この3倍くらい入れても良いかもしれない
柚子の種から取れるペクチンを石鹸に入れると泡の粘度が増す説を見かけて、以前から増粘剤は気になっていた。今回は、購入できる中から使い勝手が良さそうなキサンタンガムを選定。
作り方
キサンタンガムを水に入れて軽く混ぜ、ジェル状になるまで放置。(30分くらい?)
オレンジフラワーにある通り、ダマになりやすいので放置した方が楽。
ハーフソルトバーを薄切り
型に入れてレンジで柔らかくなるまで加熱&かき混ぜて落ち着かせるを繰り返す
柔らかくなったら型の中で成型して常温で冷やし固める
備考
キサンタンガムは4のタイミングで粉のまま投入・混ぜても大丈夫のように思う。知らんけど
小さくて浅い型を使うとレンジ中に溢れてひどい目に合うので、多少大きすぎても深い型を使った方がいい
市販品の成分に添加物があると気になるくせに、自分で入れる分には気にならない不思議。増粘剤ばんざい。
泡持ち改善とともに治まるフケ。次はもう少し泡立ち・泡持ちを良くしたい、、、
念のためオイルパック&マッサージでフケのカサブタを一掃した後、この石鹸で頭を洗ってもらった。(泡持ちはなかなか改善していた。)
結果、翌朝の枕にはほとんどフケはついていない。
やはり合わないのはパームオイルのようだ。今後何か買うときはパームオイル系の何かが入っていないかチェックするようにしよう。
さて、フケはいい感じになって来たとはいえ、泡立ちに関してはまだ少しご不満な模様。私から見ても、もうちょっと泡立ち欲しい。
そんなわけで、泡立ち&泡持ち両方に定評のあるオレイン酸系のオイルを追加してみることに。
④米油&キサンタンガムで泡持ち改善ハーフソルトバー
リバッチで作るレシピ
レシピ
③のキサンタンガムハーフソルトバー:オイル重量で50g
米油100%石鹸:オイル重量で50g
SHPで作ったもの。ディスカウント0%、水分量30%
オリーブオイルではなく米油にしたのは単に手元にあったからで、深い意図はない。
PBっぽいめちゃ安の食用米油を使用。
塩:50g
キサンタンガム:小指の爪の半分くらい
作り方は③と同じ、レンジでリバッチ
泡立ち・泡持ち、えらい改善。フケもほとんど減ったまま。シャンプーはしばらくこれかと思いきや
塩が大量の石鹸にもかかわらず起泡を担うココナッツオイルを半減させて大丈夫か、、?と思いきや、キサンタンガムも追加したためか、泡立ち&泡持ちは更に改善。ユーザ様にもご満足いただけるUXの泡になった。
もはや日課となった翌朝の枕チェックも良好な結果。完璧とは言わないが、フケは気にならないほどのレベルに減ったまま。
じゃあ、しばらくシャンプーは、この石鹸で、、と思っていた矢先。
途中から、④の組成だけど塩が全く入っていない石鹸で頭を洗っていたと発覚。
塩の分量を調整する用に作って風呂場に置いといた物を、いつものハーフソルトバーと間違えていたらしい。
そして、フケは治まったまま。
フケ抑えるのに塩は要らなかったってこと?
⑤フケを抑える固形石鹸(塩無しのシャンプーバー)
リバッチで作るレシピ
レシピ
ココナッツオイル100%石鹸:40g(オイル重量)
ひまし油100%石鹸:10g(オイル重量)
米油100%石鹸:50g(オイル重量)
上記石鹸は全てディスカウント0%、水分量30%
水:10~20g
ココナッツオイル石鹸が柔らかくなりにくいのを緩和するため。
このくらいの量では出来上がりの石鹸は柔らかくならなかった。
キサンタンガム:小指の爪くらい
作り方
石鹸類を薄切り
型に石鹸類と水を投入
レンジにかけて柔らかくなるまで加熱とかき混ぜて落ち着かせるを繰り返す
ココナッツオイル100%石鹸が完全に柔らかくなるにはかなりレンジ時間がかかるので、途中であきらめるべし。粒が残ってても石鹸としては問題ない。
キサンタンガムを粉のまま投入し、よく混ぜる。
キサンタンガムは後入れでも問題なしと期待して後入れ。万全を期すならゲル化させて先入れ推奨。
型の中で成型、常温で放置して固まったら出来上がり。
その後
フケはほぼ改善。石鹸の泡のUXも改善。
途中で乗り換えたり合わなかったりで余った石鹸たちは、ボディ用に転用。
これで落ち着いた、、と思ったが、
今度は頭皮に残った引かない赤みをどうにかしたくなってしまった。
ということで、石鹸の試行錯誤は継続中、、(そのうち書く)