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【理学療法士】研究業績でマウントとる
大学院で学んだ公衆衛生学や疫学の視点を元に、健康的な社会を作りたい理学療法士のジロー(40)です。
普段は、回復期のリハビリテーション病院に勤務しています。
理学療法士界隈では、最近のX(旧twitter)で、臨床研究をしていない人、研究業績がない人を蔑むような発言があり、とても問題になりました。
「●年目までには、学会発表を、●●年までには、何本論文作成を」と。
一般病院で通常の臨床業務をしながら、論文作成や、その前の学会発表などを「安全に」実施することは可能なのでしょうか?
‖ 実は危ない、臨床研究の独学
もう20年ほど前になりますが、私の近い人が「どうしても臨床研究をしてみたい」ということで、見よう見まねで実施して、臨床研究経験者からの指導を十分に受けずにそのまま発表したことで、大大大問題になりました。
「この解釈は不適当なのでは?」
「これは、病院を代表した意見なのですか?」
結局、その人がうちの病院を辞めても、うちの病院名と内容は学会誌などに残りますからね。
臨床研究は、研究に関する「お作法」を、新たに学ばなければなりません。
これ、独学は危険なんです。メンター(指導者)なしには、論文投稿などはできるわけがありません。
∴研究を始める前には、「人を対象とする生命科学・医学系研究に関する倫理指針」を読み込みましょう ↓↓(厚労省ホームページより)
冒頭に紹介したXの人は、近くに論文投稿を手伝ってくれるメンターが居たのでしょうね。もしくは、居なかったから大学院に進学されたのでしょう。
どちらにしても、とてもラッキーでしたね。
臨床研究を指導できる理学療法士や医師が就職先に居ることは稀でしょう。
大学院の進学にも、相当のお金と時間がかかります。
私立リハビリ大学で、概ね800万くらいかけて理学療法の資格とって、また200万(国立でも雑費含めて150万くらい)は、皆ができる事ではありません。
‖ エビデンスを作る人・使う人どちらが、凄い?
どちらも真剣にやろうと思えば、大変です。
私が、学会発表前に、データ解析などをしていると、そっと手間な仕事を取ってくれる上司や同僚がいます。
その人たちの存在なしには、自分も十分には動けませんし、
その方達が、私の得意な分野で困っていれば、喜んで恩返しをします。
エビデンスとプラクティス(実践)は、自転車の両輪の関係と思います。
どちらが欠けても、十分に動かすことはできません。
‖ 人の得意は、さまざま
臨床が得意な人、研究が好きな人、
研究の着想が上手な人、研究倫理に詳しい人、
私のように、どちらかと言えば分析やサポートに徹していて、筆頭演者としての業績は乏しい人
特に、臨床研究では様々な専門家がチームになって一つの論文を仕上げていくので、職業研究者でなければ「論文を何本書いているから、すごい」ってマウントをとられると辛いものです。
得意な人が、得意な分野で活躍していける(カラーを出せる)
そして、それが多面的に評価されるようになったら嬉しいですね。
私自身は、臨床と研究の橋渡し的な役割であると自覚していて、たくさんの研究業績を上げようというモチベーションは乏しいです。
私が若い特に困った事は、「臨床研究をやってみたいと思った時に、誰にも相談できなかった事」なんですよね。
特に、統計解析などは、ブラックボックスで。
健康的な社会を作るためには、まずは医療従事者が様々な気づきを得て、
それを広く発信することも重要と思っています。
ブラックボックスを恐れて、一歩踏み出せない人の道筋を明るくすることはできると思っています。
筆頭論文数などは、あまり気にせず、引き続き臨床研究のサポートなどを通じて社会に貢献していきたいと思います。
↓↓ 研究やってみようと思っても、何から始めたら良いか検討がつかない…。私も参考にしています!
↓↓ 論文の読み方、書き方。この本が一番オススメかも。