【回リハ病院2024】新卒採用ゼロの異常事態🏥💦
大学院で学んだ公衆衛生学や疫学を用いて、健康的な社会を作りたい理学療法士のジローです。
普段は、回復期リハビリ病院で脳卒中のリハビリに従事している、40代中間管理職です。
今回は、採用の話をしますが、私は採用プロセスには一切関与していない立場ということを先に述べておきます。
(もっと上の人が、採用する予定人数を決めて、面談・面接をして、決まった後に現場に報告があります)
‖ 新人教育担当者の例年2月の大仕事
2024年、明けたと思えば、あっという間に2月末。
さて、例年2月に頭を悩ませることといえば、4月からの新入職職員の研修計画を立てる事です。
これは意外と大変で、全てを私が教えるのではなく、各分野で教え慣れた人が居ますので、そちらに講師依頼をするのですが、
上司:「今年の計画は、このようにして下さい」→ジ:「去年と全然違うやん」
とか、
「今年は、講師をしたくない(誰か他に代わって)」
「今まで講師をしていた人が、退職した」
「依頼された日は、休みです」
などなど、項目が多い分、自分の臨床時間の間に、あちらの部署、こちらの人に聞いてまわり、スケジュールを立てるのが、結構手間なんですよね。
ところが、来年度は、、、
4月からの、大学から直で就職予定の新卒採用「0」
Zero
ゼロです。
‖ 新卒の新入職員 All Zero(P,O,S)
ジ:「ラッキー、年度末の忙しい時に業務が減った!」
「そうは言っても大丈夫??」
ちなみに、例年通りの募集はかけていました。
大学からの就活生も、何人も見学に来ました。
その年によって、理学療法士は0、作業療法士のみ0とかいう年はありました。
それでも、リハ職全部で0は、初めてのことです(リハビリ専門病院なので余計に)。
代わりに、ここ数年は中途採用のセラピストが多く入職しています。
中途採用者は、病院のシステムにすら慣れてしまえば、大体の臨床業務はできてしまうので、すぐにMax単位とれてしまいます。
リスク管理も、ある程度は習熟していますしね。
患者さんとのコミュニケーションも上手いです。
経営陣:「新卒も採用しておかないと、職場の形がいびつになるから。新卒採用はする予定です。」
でも、0でした。
‖ 異常事態に対するジローの所感
回復期リハビリ病棟は、4月から運動器に対するリハが上限6単位になるわ、
体制強化加算が廃止になるわで、今まで普通にやってきていたものの延長になると減収になります。
今まで以上に、コスパ・タイパが重視されるような時代になっていくのでしょうね。
新卒のセラピストは、ますます病院への就職が難しくなるかもしれません。
しかし、
病院は、患者の治療だけが役割ではありません。
次世代の医療従事者を作っていき、その地域が安全であり続けられるようにしていく事も、重要な役割と考えています。
国家試験に受かったら、即医療者ではありません。病院の中で、目の前の患者さんや、諸先輩方、同僚から様々な教えを受けながら、長い年月をかけて、「医療従事者」になっていくのです。
特に我々のような地域に根ざした病院では、その地域での次世代のリーダー・人財を育てることも大きな役割です。
でも、そのような所に回すだけの余力が、病院の金銭的体力や、職員の業務量的な体力が無いのでしょうね。
私は、基本的にセラピストがキャリアアップや、ライフステージによる働きやすさなどから働く場所を変えたり、転職する事に対しては、寛容な立場をとっています。
↓↓今年の転職実践
しかし、私は新卒から働かせてもらった今の病院に対しては、自分が新人すぎて十分に働けていなかった時でも収入を保証してくれて、様々な経験を積ませてくれ、温かく見守ってくれたから今があると思っており、恩も感じています。そして、20年近く現職を貫いています。
ちょっと働けるようになった人を、つまみ食いのようにピックアップする採用では、職場に対する愛着も少なく、また都合が悪くなれば、すぐに転職してしまうのではないかと思っています。
今年度の一年目は部下ができないもので、いつまでも新人気分でも困ります。間隔が空くと、若い人が同世代の人に日頃の相談をしにくく、新人の定着率が悪くなりそうです。
人材の抜き取りばかりしている病院は、あまり良い評判は立たないでしょうしね(幸い、近くの病院からの転職はありませんが)。
採用一つをとっても、コロナ明けで経営の体力が減ったこと、働き方改革、物価高(様々な病院の備品に関わる経費)などのしわ寄せを感じずにはいられない春が来そうです。
↓↓就活を開始する人は、行きたい場所を早めにロックオンしておきましょう。