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ChatGPT で観察研究論文の批判的吟味を自動化する →☆プロンプト置いてます☆

大学院で学んだ公衆衛生学・疫学の知見を元に、健康的な社会を作りたい理学療法士のジロー(40)です。

健康的な社会?とデカイ事を言っています。

理学療法士に何ができるの?

理学療法士は、運動と健康に関するプロですが、日本に18万人くらいいるみたいです。

世界中から発表される、新たな医学的な研究を日常の臨床に適切に取り入れることや、これを日本から世界に向けて発信していくことが増えれば、健康的な社会に繋がるのではないかと勝手に思っております。



最近のトピック

■  常用しているChatGPTを、ついに課金バージョンに変更した!


行っている臨床研究のトラブル解決の相談役や、勉強に励んでいる、データサイエンスやプログラミングの先生役として活躍していただいている ChatGPT =  じいちゃん に課金することにしました。


PCに保存してある、「いつかは読まなければならないが、いつ読むの?」
の論文のPDFが大量にあるのですが、目を通せずに、どんどん溜まって困っています。


(以前は、無料版ではPDFの読み込みができないと聞いていましたが、今は一部緩和した?)(現在、令和6年9月21日)課金した後なので、無料モードがどうなっているのかは知りませんが….。


要約して欲しいPDFのファイルを、クリップボタンを押して添付します


単純に要約だけを指示しました

この論文は、日本の長期療養病棟における医療・介護従事者による退院支援が再入院率の低減にどのような効果を持つかを観察した研究です。日本では、高齢化に伴う医療需要の増加に対応するため、入院が必要でない治療を在宅医療に移行する政策が進められています。この研究では、退院支援が患者の1年以内の再入院率に与える影響を分析しました。

研究の結果、退院支援を受けた患者群では、支援を受けていない患者群に比べて再入院率が有意に低いことが示されました。特に、85歳以上の患者や、部分的な介護を必要とする介護度1~2の患者、認知症や骨折の患者において、この効果が顕著でした。

この結果から、医療・介護従事者による退院支援は、再入院率の低減に効果的であることが示唆されています。ただし、患者の年齢や介護度、基礎疾患も考慮する必要があるとされています。

ある論文に対するChatGPTの要約


■  ChatGPTで論文の批判的吟味(CA)を自動化する


↑↑
論文を、ただ読むだけでは、英語訳をしているだけになりがちです。

CAとは、論文を批判的に吟味することで、研究結果が正確で信頼できるかどうか、また、その結果が臨床実践にどのように適用できるかを判断するものです。


● 子供の夏休み前 (7月)


今まで通り、手書きでチェックして、ノートに書き溜めていました(その方法以外知らない)。

相変わらず、汚い字(小学生の時に硬筆で金賞を取った事があります!
なぜ、こうなった?)

非アカデミアの私にとって、論文のチェックは、朝刊を読むくらいのもので、時間が空いた時に、気が向いた記事にチョロっと目を通す程度のものでした。

現在、臨床研究を走らせており、期間を決めて課題に取り組んでいます。

大学院が終わってからは、このように期間が決まり、大量のCAをしなければならない場合から遠ざかっていました。
英語が苦手は私にとっては、最終的にノートにまとめると1本に30分程度はかかります。しかも、その日の集中力にも左右されます。


● お盆を過ぎてから (8月)


ChatGPTを非課金で使用し、難しい英訳のアドバイスを求めたり、
Google  Chromeの拡張機能を用いることで、更にスピードが上がりました。


● ChatGPT の課金を始めて (9月)


課金する前は、テキストベースでインターネット上に公開されている論文を読みながら、対話形式でAIと質疑応答を繰り返していました。

今、令和なので、最新のテクノロジーは余す所なく使う所存です。

「いちいち同じ事を聞くことすら、面倒臭くなってきた…。」

「論文のCAにおいては、ChatGPTに、聞く内容は大体いつも同じなので、一つのプロンプトにまとめて、一回コピペするだけで、自分のノートにまとめている形に仕上げてもらう」ようにしました。



■ 「私の中の"情熱"と"怠け者"が絶妙に融合したCAのプロンプト」が以下です


この論文を日本語で要約してください。なお、以下の条件に従ってください。###
①要約の前に、英語の論文タイトルそのままと、著者名、ジャーナル、発表年、論文タイトルの日本語訳、doiを抜き出すようにしてください。
②Abstractではなく、本文を要約するようにしてください。
③目的と方法では、集団の定義と曝露について詳しく抽出してください。
④結果には、本文に書かれてある数値を入れて要約するようにしてください。
⑤考察では、研究の強みと限界を中心に抽出してください。
なお、レビュー論文や、総説論文では③〜⑤は当てはまりません。
###
なお、出力は以下のフォーマットに極力沿うように書いてください

###
[背景:臨床研究に至る問題点と研究目的]
[研究仮説]
[研究デザイン]
[研究集団]
[除外基準]
[データコレクション]
・曝露指標:
・アウトカム指標:
・共変量:
[倫理的配慮]
[統計解析方法]
[結果]
[本研究の強み]
[本研究の弱み]
 ・交絡バイアス
 ・選択バイアス
 ・測定バイアス
[結語]
###

要約の終わりに、あなた(GPT)の感想を書いてください(この面では、この研究は優れているが、このような問題が多いと感じたなど)####

↑↑ コピペして使ってください。
勝手に改造して、あなたの良いようにカスタムして使ってください。

プロンプトを書く前までは、細切れで聞いていたんですよね。
結構、時間がかかっていました。
また、その時の聞き方で返答もまちまちなので、再度まとめる手間がありました。

定式化することで、かなりの時短になりました。

↓↓(参考文献)


●  上のプロンプトをコピペして数秒後↓↓

英語の論文タイトル: "Effectiveness of Hospital Discharge Support by Medical and Nursing Care Workers in Reducing Readmission Rates of Patients in Long-Term Care Wards: An Observation Study in Japan"

著者名: Hirofumi Tsuboi, Kenji Fujimori

ジャーナル: Tohoku Journal of Experimental Medicine

発表年: 2020年

論文タイトルの日本語訳: 「日本の長期療養病棟における医療・介護従事者による退院支援が患者の再入院率低減に及ぼす効果: 観察研究」

DOI: 10.1620/tjem.251.225

[背景:臨床研究に至る問題点と研究目的]
高齢化に伴い、長期療養病棟での入院需要が増加することが予測される中、再入院率を低減することが医療の質の向上とコスト削減の観点から重要である。本研究は、長期療養病棟における医療および介護従事者による退院支援が患者の再入院率に与える影響を評価することを目的としている。

[研究仮説]
退院支援が適切に提供された患者群では、支援が提供されなかった患者群に比べて、再入院率が低下するであろう。

[研究デザイン]
本研究は、日本のある県で収集された医療保険と介護保険のデータを用いた後ろ向き観察研究である。

[研究集団]
2012年4月から2016年3月の間に長期療養病棟から退院した65歳以上の患者を対象とした。総計10,998人が研究に含まれた。研究集団は、退院支援を受けた2,563人の患者群と、支援を受けていない8,435人の患者群に分けられた。

[除外基準]
退院時に死亡した患者は除外された。

[データコレクション]
曝露指標:退院支援の有無(退院計画および退院後の医療・介護サービスの調整を含む)
アウトカム指標:退院後12か月以内の再入院率
共変量:患者の年齢、性別、退院後の医療形態(在宅医療、外来診療)、介護認定のレベル、疾患(癌、糖尿病、認知症、心不全、脳卒中、肺炎、骨折)

[倫理的配慮]
この研究は東北大学大学院医学系研究科の倫理委員会によって承認され、患者からのインフォームド・コンセントは必要とされなかった。

[統計解析方法]
患者の特性を考慮した多変量ロジスティック回帰モデルを用いて、退院支援と12か月間の再入院率との関連を評価した。

[結果]
全体の再入院率は52.3%であり、退院支援を受けた群では49.5%、支援を受けなかった群では53.1%であった。退院支援を受けた群では、12か月の再入院率が有意に低下していた(調整オッズ比: 0.86, 95%信頼区間: 0.79-0.95, P = 0.002)。特に、85歳以上の患者(調整オッズ比: 0.85, P = 0.01)、介護度1~2の患者(調整オッズ比: 0.79, P = 0.02)、認知症患者(調整オッズ比: 0.78, P = 0.01)、および骨折患者(調整オッズ比: 0.84, P = 0.04)で有意な効果が認められた。

[本研究の強み]
本研究は、後ろ向きに大規模なデータセットを使用しているため、結果の信頼性が高い。また、特定の集団(高齢者や特定の疾患を持つ患者)における退院支援の有効性を詳細に評価している。

[本研究の弱み]
交絡バイアス:患者の特性による交絡が完全には除外できない可能性がある。
選択バイアス:研究データが一つの県に限定されているため、地域的なバイアスが存在する可能性がある。
測定バイアス:医療保険と介護保険データに臨床症状や検査結果が含まれておらず、予定された再入院か否かを区別できなかった点が限界である。

[結語]
長期療養病棟における医療・介護従事者による退院支援は、再入院率を低減する効果があり、特に高齢者や特定の介護度や疾患を持つ患者において有効であることが示唆された。

GPTの感想: この研究は、高齢化が進む日本において、退院支援が再入院を減らす可能性を示す重要な証拠を提供しています。ただし、交絡や選択バイアスの可能性を考慮すると、結果を一般化する際には注意が必要です。これらの限界を克服するために、将来的には異なる地域やより詳細なデータを用いたさらなる研究が必要だと感じました。

ChatGPT の回答は必ずしも正しいとは限りません。重要な情報は確認するようにしてください。

先ほどのプロンプトをコピペして、本文上段の10.pdfを要約してもらいました


ただ要約するより、こちらの目的に沿った形で出力してくれます。

要約された文章を見返す形で論文を読むと、作業時間がかなり要約できます。読んだ後に、要・不要を決める前の参考資料にもなります。

これから、気合入れて英語読むぞー!という心理的ハードルがかなり下がりました(下からくぐってる?)。

さ、新しい論文をしっかり読み込んで、次の段階にすすむぞ!

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