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【理学療法】生活指導にSelf-Control Theory(自己制御理論)を応用する

こんにちは。
公衆衛生学の知識を用いて、健康的な社会を作りたい理学療法士のジローです。


‖  私が考える「健康的な社会」とは


具体的には、予防医療を発展させて、リハビリテーション医療にかかる人が未然に防げるような社会や、不運にもリハビリが必要になった人が、再発して入院しなくても良いような状況になればいいなと考えています。


とはいえ、入院中や退院前に生活指導をしていても、なかなか発症前の生活習慣を変えられるまでの指導って難しいですよね。

私も、日々試行錯誤をしています。


その中で、今回は行動変容を促す、行動医療の参考書から
Self-Control Theory(自己制御理論)について紹介します。

そして、実際の生活指導にどのように応用するかを紹介します。


‖   Self-Control Theory(自己制御理論)


健康行動とは、世の中の楽しいこと、魅力的な事の反対の事が多いです。

この、良くないが楽しくもある習慣を止める、誘惑に抵抗するということは、かなり難しいということです。

そして、その自己制御能力には容量と限界があるということです。


「なぜ、自分自身を律して、誘惑に抵抗する必要があるのか?」

「今日からする必要があるのか?」


言い訳は、いくらでも並べることができます。
そして最終的に、その実践を面倒くさがるという傾向があります。


生活習慣を改善する複数の行動を組み込むのではなく、どうしてもそのようにする必要がある場合には、「一つずつ順番に実施する」方が成功確率が高くなるという理論です。


‖   Self-Control Theoryの生活指導への応用



脳卒中の発症に、喫煙・肥満が大きく関わっていたと思われる患者

退院後を見据えて、喫煙・体重管理をはじめ、諸々を指導したくなります。時間も限られているので、一気に2個とも指導したくなります

Self-Control Theoryに基づくと、まずは禁煙だけを追求し、それが逆戻りしない程度に習慣化されてから、次の課題(食事制限)に取り組むということです。

入院のセッティングでは、薄味に慣れることや、野菜の多い食事や提供カロリーで意外とお腹がいっぱいになることを学習してもらうなどの食に対する指導もできますので、先に食事に関する行動変容までを徹底的に実施し、退院後に次のステップとして禁煙に挑戦するのが良いかもしれませんね。


‖   Self-Control Theoryの応用の難しさ


Self-Control Theoryからわかるように、個別の行動変容を促そうと思えば、計画的に、長い期間をかけて実施する必要がありそうです。

あれもこれも制限されれば、すぐに爆発してしまうのが関の山です。一度離脱した人を、再度生活指導の土俵に上げることは至難の技です。

特に我々、理学療法士(しかも病院勤務)では、短期間の介入しかできません。

計画的に長く続けていくにはどうすれば良いのでしょうか。


やはり、後方連携のスタッフや家族の協力が重要と思います。


「あまり急かさず、でも一歩ずつ確実に。
入院生活では、ここまでは習慣化できています。
次の課題は、これと考えていますが、実際には、まだ課題に取り組めていません。」

その時々で、再指導やフィードバックが受けやすい環境であればいいのですが、それを受ける場所も、あまり無いんですよね。


やはり、健康的な社会作りは

「個人の指導だけでなく、予防のシステムや環境づくりも大切」

と思いました。

やらないといけないことがたくさんです。
私も、一つずつ確実に進めていこうと思います!Self-Controlが一番難しいwww!

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